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徐 向東(じょ・こうとう)

CM-RC.com(株)中国市場戦略研究所、上海CMRC代表

徐 向東

北京外国語大学講師を経て文部省奨学金で来日、日本で博士号取得後、一貫して日本企業向けの中国市場進出の調査やコンサルティングに従事。03年2月17日日経新聞経済教室欄に「中国“新中間層”の台頭」を発表。消費市場としての中国新中間層への注目を日本で始めて提起。日経グループ企業の首席研究員、上海事務所総監、コンサルティング会社の代表取締役などを経て、2007年から株式会社中国市場戦略研究所(cm-rc.com)代表。現在、日本と上海に会社を持ち、中国での市場開拓やビジネス拡大を狙う日本企業のためにコンサルティング、リサーチ、販促プロモーション、現地企業とのマッチング、販売代理、情報発信などのサービスを提供している。経営層向け講演やセミナー講師のほか、著作とコラム執筆も多い。 

◇主な著書
中国人に売る時代!巨大市場開拓の成功の法則』(日本経済新聞出版社) 2009
中国人にネットで売る~2つの“ネット”の正しい使い方、つくり方』(東洋経済新報社) 2011
中国人観光客を呼び込む必勝術 - インバウンドマーケティングの実践』(日刊工業新聞社) 2011

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 中国でサポートしている日本の健康食品とファッションのブランドが黒字転換できました。最初に、無理だと思った日本の商品でも、努力しているうちに実は「やればできる」と改めて思いました。スマホで中国の微信(We Chat=中国版Line)を使いはじめたら、小学校から大学時代のクラスメートとはどんどんと連絡をとれるようになった。皆、各分野で大活躍しており、これはすごい人脈だと分かったが、中国のSNSの威力も改めて感じるようになりました。すかさず日本の商品を紹介する「微信」を社内で立ち上げました。

 日本の商品は値段が高いから中国でなかなか売れないと思われがちだが、実は品質や機能性を中国のユーザーに体験してもらえば、値段がやや高くてもそれ相応の価値があることを理解してもらえます。多くの日本企業は、中国の販売チャネルに浸透できまい。消費者が日本の商品を体験していなければ、日本の商品の価値も理解できない。私たちは、中国でユーザーの実体験を重視して日本企業のマーケティング活動をサポートしてます。黒字転換できる会社が出ているので、このやり方は正しいと確信しております。

 ユーザーとの接点を増やすには、SNSを活用することがきわめて大事。私は日々、微信を使って中国の友人知人、そして私たちが中国でやっているプロモーションに参加する人たちと交流していろいろな情報を得ています。ぜひ日本の経営者にもお薦めしたいです。

中国人に売れないなんてありえない

商品のないコンビニが起こす消費革命

2014年9月18日(木)

中国の小売業は猛烈なスピードで変化している。キーワードはインターネット通販だ。ついに、商品のないコンビニまで登場した。
「順豊(SF)」が上海郊外住宅団地にオープンした新型コンビニ店内の巨大パネルをタッチしながら買物(撮影:中国市場戦略研究所上海オフィス)

 最近、日本メディアの中国経済についての報道をみると、「停滞」「減速」などの言葉がよく目に入ってきます。「ついにバブルが崩壊する」といった論調も時々あります。ただ、中国経済は年率7%を超える成長率を維持していますし、今後10年間はこうした中速度の成長が続く可能性は高いと見られます。

 経済は生き物なので、いつの時代も沈むものがあれば、伸びるものもあります。たとえば中国の流通業をみると、百貨店やスーパーなどの伝統的な業態は確かに減速が目立ちます。ウォールマートは1996年に中国に進出した後、毎年40店舗を開くハイペースで拡大してきました。しかし、2013年は一気に14店舗も閉め、今年はさらに20数店舗を閉店すると言われています。

 2014年上半期だけで、中国の主要百貨店、スーパーなどはすでに158店舗も閉鎖しています。その内訳は、ウォールマートやカルフールなどのスーパーが146店、百貨店は12店です。

 この中で、外資系の百貨店とスーパーは118店で全体の75%も占めています。日系の伊勢丹やイトーヨーカドーも瀋陽や北京の店舗を相次ぎ閉鎖しました。店舗閉鎖の最大の理由は、やはり土地代と人件費の増大が利益を圧迫しているからです。

 一方、ネット通販は急成長しています。2013年12月までに中国のネット通販利用者数が3.02億人、2012年より5987万人増、伸び率が24.7%に達しました。

通販が急成長、ついに世界一の規模

 2013年、中国のネット通販取引額は既に1.85兆元に達しています。現在の為替レート(1元=16.5円)で換算すると30兆円を超えています。ネット通販の規模はすでにアメリカを超え世界一になっています。昨年、中国の国家統計局が発表した全社会消費品小売総額は23兆4380億人民元、約375兆円です。中国のネット通販はすでに小売総額の約10%を占めるようになったというわけです。

 ネット通販企業のなかで、規模が一番大きいのはアリババです。その傘下にはヤフーオクションのようなC2Cの「淘宝網(タオバオ)」と、楽天のようなB2Cの天猫(Tモール)があります。両社の取引総額の合計は昨年3月から今年4月まで1兆6770億元(日本円に換算して約27兆6700億円)で、中国ネット通販取引総額の9割を占めています。

 中国のネット通販がここまで成長できたのは、まずアリババのイノベーションによるものが大きいと言えます。クレジットが普及していない中国では、もともとネット通販が成立しないと思われていましたが、アリババはそれを解決するために、「アリペイ」という優れた仕組みを開発しました。

 アリペイはいわば電子マネーです。商品購入者がアリペイにお金をチャージすれば、売り手がそれを確認して商品を発送します。購入者が商品を受け取ってアリペイに通知すると、アリペイから売り手の口座に代金が移され決済するという仕組みです。この仕組みが導入されてから、中国ではネット通販の利便性と安全性が確保され、その後、ネット通販拡大が加速したわけです。

 実は、アリペイの普及は、これまでの国有銀行の独占権益を崩すきっかけにもなりました。2011年5月に中国の中央銀行は27社の民間企業に金融業を営むライセンスを与えました。その結果、アリペイの年間決済金額は6230億ドル(約62兆円)の巨大規模までになったのです。

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