• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

大津 敬介(おおつ・けいすけ)

英ケント大学経済学部講師

大津 敬介

2001年3月、慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程を修了。米カリフォルニア大学ロサンゼルス校経済学博士(Ph.D)。2006年8月、日本銀行金融研究所でエコノミスト。上智大学所教を経て2010年9月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

「気鋭の論点」

「高齢者と移民」が人手不足解消のカギ?

2014年8月11日(月)

 2008年にアメリカにおけるサブプライム問題の影響で、世界中に不況の波が広がったことは記憶に新しい。日本も例外ではなく、2009年の15歳以上人口1人当たり実質GDP(国内総生産)成長率はマイナス5.7%と近年まれにみる下落を記録した。

 本稿では、OECD(経済協力開発機構)のデータベースを使い、日本と他の先進国の世界同時不況期における労働市場関連のマクロ経済変数を比較する。そこからあぶり出された日本の労働市場の特徴を踏まえ、「人手不足」問題の今後を探ってみよう。

1人当たりGDP:日本はOECD平均より大きい下落幅

 図1は、2007年度を100としたときの15歳以上人口1人当たり実質GDP(以下1人当たりGDP)の推移を表している。

図1 15歳以上人口1人当たりGDP

 黒い太線はOECD加盟34カ国の平均、赤い線は日本、青い線は米国を示している。これによると、OECD平均は2007年から2009年にかけて4.9%下落し、そこから緩やかに回復に向かっている。日本は2007年から2009年にかけて6.5%減とOECD平均より下落幅が大きく、2011年には震災の影響で景気は一時停滞したが、2013年には2007年水準への回復を果たしている。

 米国は世界不況の震源地だったため、2008年こそOECD平均を下回っていたが、それ以降の推移はOECD平均に近く、2013年には2007年水準に回復した。

 また、黒い点線はOECD34カ国の1人当たりGDPにおける、95%信頼区間を示している。信頼区間とは統計用語で、観測されたデータサンプルを基に、真の平均値がどの範囲にあるかを確率的に表すものである。信頼区間から逸脱した観測値は、95%水準でOECD平均値からかい離していると解釈でき、図1に関して言えば、2009年において、日本の1人当たりGDPはOECD平均値を統計的に有意に下回るほど大きな下落だったといえる。

1人当たりGDPの分解:労働生産性ではなく労働投入量

 1人当たり実質GDP(Y/N)は次の式のように、経済全体の総労働時間(H×E)に対する総生産量(Y)を示す「労働生産性」(Y/HE)、就業者1人当たり平均労働時間(H、以下平均労働時間)、労働力人口(LF)に占める就業者(E)の割合を示す「就業率」(E/LF)、15歳以上人口(N)に占める労働力人口の割合を示す「労働参加率」(LF/N)に分解できる。

 Y/N=Y/(H×E)×H×E/LF×LF/N

続きを読む

著者記事一覧

もっと見る

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

全体の2~3割の人でも理解し、動き出してくれれば、会社は急速に変わります。

中村 克己 元ルノー副社長、前カルソニックカンセイ会長