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菊池 珠夫(きくち・たまお)

日経BPクリーンテック研究所主任研究員

菊池 珠夫

日経BPクリーンテック研究所が実施してきたスマートシティ・プロジェクトやスマートハウス・ビル調査に従事。韓国、米国、中国など幅広い地域のスマートシティの調査実績がある。野村総合研究所を経て、日経BPの日経マーケット・アクセス編集に所属していた経験より、スマートシティ、スマートハウス・ビル及びその構成要素であるハードウエアやシステム・ソフトウエアの市場調査・分析、シナリオ分析などに特に高い能力を持つ。専門領域はエネルギー、市場規模予測、半導体。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

世界608プロジェクトから見えた「未来のまちづくり」

経費削減とサービス向上の両立に立ち向かう世界の都市

2013年10月15日(火)

 経費を抑えて、サービスの質を向上させたいのは民間企業に限ったことではない。世界中の自治体も同じ悩みを抱えている。ブラジル・リオデジャネイロ市は、町の情報を収集して一元管理するセンターを設立した。また、米国サンディスプリングス市では、民間の力を利用してサービスの質を向上させた。日本の自治体も、サービスの向上と経費削減の両立を狙って、動き出した。

 自治体の財政が厳しいのは日本に限ったことではない。税収が頭打ちなのに、高齢化対策や老朽化したインフラの修理など行政に対する要求が増え、自治体は手が回らなくなっている。そんな状況を脱するために、世界各地で行政サービスの質の向上と経費削減をセットで取り組む試みが始まった。日経BPクリーンテック研究所が2013年6月に発行した『次世代社会創造プロジェクト総覧』で608件のプロジェクトを取り上げたが、そのうち行政に関するプロジェクトは73件あった。決して多くはないが、10%以上を占める。先進国を中心に取り組んでいる。

センサーで町の状況を把握する

 世界のプロジェクトを見ると、サービスの質向上と経費削減を両立させる試みは、大きく分けて2つの方法がある。1つは、町中にセンサーを張り巡らせ、町全体の状況を把握し、交通渋滞の緩和や防災に役立てる。老朽化したインフラをセンサーで測定し、亀裂やゆがみなどを検知するシステムを導入する自治体もある。人がパトロールするのに比べて低コスト化できるし、そもそも人では物理的に不可能な膨大な量の社会インフラの監視を実現できるメリットもある。

 情報の一元管理を進めている自治体として有名なのがブラジルのリオデジャネイロ市である。同市は、2014年のFIFAワールド杯サッカー大会と2016年の夏季オリンピックを控え、常態化する交通渋滞などの課題を解決するために2010年12月にオペレーションセンターを稼働した。市内の情報を1カ所に集めて一元的に管理し、行政活動を効率的にするためだ。

 センターには大きな画面が並び、リアルタイムで市内の情報が表示される(下の写真)。市内の交通網に重ねて、道路工事の情報、現在の交通量などが一目で分かる。過去の履歴情報からこれから流入してくる交通量を予測し、渋滞を未然に防ぐための誘導や交通整理を行う。同様に、河川の状況も監視し、大雨の日などは水位の監視と洪水の予測、水道への影響を検討し、必要に応じて通行制限や市民への情報提供、避難勧告を行う。これらの情報がセンターで一元管理されているため、最新の情報を部署間で共有し、連携して対応することが可能になる。

町の状況が一目で分かるリオデジャネイロのオペレーションセンター(出所:リオデジャネイロ市)

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