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吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

吉田 忠則

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

◇主な著書
見えざる隣人』(日本経済新聞出版社) 2009
農は甦る』(日本経済新聞出版社) 2012

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

ニッポン農業生き残りのヒント

ロボットが匠の農を超える未来

2017年12月15日(金)

 農業取材を始めたころ、センサーなどの情報技術で農業を変革するのは難しいと思っていた。「勘と経験」に頼る農業から脱却し、伝達可能な形に栽培を体系化することは必要だが、技術の核には人間がいると考えていた。農家に聞いても、そういう答えが返ってくることがほとんどだった。

 ここ1年ほどの取材で、考えが少し変わった。情報技術は経営上の選択肢の1つではなく、それがなければ営農が成り立たない時代が目前に迫っている。高齢農家の大量リタイアで経営規模が巨大になり、人手に頼っていては管理することが難しい農場が誕生するからだ。

 今回はそういう農業構造の変化に対応する可能性をはらんだ技術を紹介したい。開発したのは、愛媛大発のベンチャー企業、プラントデータ(松山市)だ。

スキルとパフォーマンスの関係

 核となる技術は2つある。1つは、青色発光ダイオード(LED)の光をロボットが植物に照射し、光合成の機能を測る「クロロフィル蛍光計測」という技術。植物に問題が発生し、葉っぱの色が変化するなど人が目で見てわかるようになる手前の段階で、異常を検知する。

 もう1つは、植物をビニールですっぽり覆い、二酸化炭素の吸収量を測ることで、光合成が実際どれだけ行われているかを調べる「光合成蒸散リアルタイム計測」という技術だ。

 プラントデータの北川寛人社長は、2つの技術を「企業の人事考課的に見ると、スキルとパフォーマンスの関係」と説明する。スキルが高くても、条件が悪ければ、低いパフォーマンスにとどまることもある。2つの技術と、温度や湿度、日照などの環境データを照らし合わせることで、植物の中で何が原因でどんなことが起きているのかを察知する。

 新しい技術は農業をどう変革する可能性があるのか。新しい技術のもとで、人の役割はどう変わるのか。愛媛大准教授で、プラントデータの技術開発を担当している高山弘太郎エグゼクティブテクニカルアドバイザーに聞いた。

プラントデータの北川寛人社長(左)と、技術開発担当の高山弘太郎・愛媛大准教授。2人とも東大農学部出身(松山市)

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