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吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

吉田 忠則

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

◇主な著書
見えざる隣人』(日本経済新聞出版社) 2009
農は甦る』(日本経済新聞出版社) 2012

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

ニッポン農業生き残りのヒント

クボタのデータ農業で甦る「現代の篤農」

2017年10月20日(金)

 これからの農業経営について語るとき、「データ化」が重要なキーワードの1つになりつつある。気温や湿度などの気象条件や、播種や収穫などの作業工程を数値で管理するシステムをメーカーが次々に開発し、現場への導入を競っている。今回紹介するのはそうした試みの1つ、クボタが提供している「KSAS」というシステムだ。

 KSASの特徴は、農作業の全体を包み込むようにカバーしている点にある。だれがいつどの圃場でどんな作業をするのか、実際にどんな作業をしたのかといった情報をクラウドで管理し、作業計画と作業日誌を電子化する。

 蓄積する情報は、作業者の名前から圃場の住所や面積、肥料や農薬の種類、作業時間、収量、食味など多岐にわたる。蓄積されたデータは翌年の栽培計画を作る際の参考になるだけでなく、コスト構造や生産性を分析して無駄を洗い出し、経営指標を作成するのに役立てることができる。

「あとは頼む」で、年10ヘクタールずつ増加

 「勘と経験」に頼る今までの農業のやり方を変えるため、ノウハウを「見える化」すべきだという声は以前からあった。だが、農家の側にシステムを使いこなすだけのスキルがないことも多く、なかなか普及しなかった。KSASはそうしたハードルを突破し、農業現場を変えることはできるだろうか。それを探るため、2年半前ほど前にKSASを導入した山崎フロンティア農場(千葉県柏市)を訪ねた。

 「田んぼを貸してくれる地主さんから場所を聞いても、帰ってくるときにはどこだかわからなくなっていることがある」

 山崎フロンティア農場の山崎直之社長はこう話す。これは、いま農業現場が直面している問題を象徴する言葉だ。高齢農家の引退が加速し、農地が集まってくるペースが年々速まっているため、経営者が頭の中だけで農地を把握するのが難しくなっているのだ。

 山崎フロンティア農場の水田面積は現在、約90ヘクタール。田んぼの数に直すと約300枚になる。以前は零細農家から「今年で最後だ。あとは頼む」などと声をかけられ、一軒で1ヘクタール未満の田んぼが集まる程度だった。それがここ数年は2~3ヘクタールの農家から頼まれることも珍しくなくなった。合わせると、増加面積は年に約10ヘクタールに達する。

KSASで食味の向上を目指す山崎フロンティア農場の山崎直之氏(千葉県柏市)

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官