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吉田 忠則(よしだ・ただのり)

日本経済新聞社編集委員

吉田 忠則

1989年京大卒、同年日本経済新聞社入社。流通、農政、行政改革、保険会社、中国経済などの取材を経て2007年より現職。2003年に「生保予定利率下げ問題」の一連の報道で新聞協会賞受賞。

◇主な著書
見えざる隣人』(日本経済新聞出版社) 2009
農は甦る』(日本経済新聞出版社) 2012

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

ニッポン農業生き残りのヒント

ずっと元気「会社員30年、農業20年」の人生設計

2017年3月24日(金)

 農業の世界に飛び込む人たちには、様々なバリエーションがある。なにも若者の就農だけが、農業の未来を左右するわけではない。そんな思いから、大手企業に勤めていた50代半ばの3人組が、定年前に会社を辞め、就農した話を前回紹介した(3月17日「木村カエラが流れる作業場は『大人の秘密基地』」)。

セカンドライフに挑戦する3人。左から泉政之さん、続橋昌志さん、水野聡さん。(写真提供:アーバンファーム八王子)

 今回はその続編。続橋昌志さん、泉政之さん、水野聡さんの3人がこだわったのは、家庭菜園の延長の趣味的な農業ではなく、ビジネスとして成り立ち、70歳代まで「アクティブシニア」として続けることのできる農業だった。

 3人が会社を辞め、「アーバンファーム八王子」を立ち上げたのが2015年12月。発足から1年余りたったいま、セカンドライフを賭けた挑戦はどうなったのか。そのことについて、前回の末尾で簡単に触れておいた。

 「自分たちで、自嘲の意味を込めて『後手後手農業』って呼んでます」

40アールで30~40種の野菜を栽培

 メンバーのひとりのセリフだ。いくら研修を積み、シナリオを描いたところで、作物の栽培が1年目から完璧なはずがない。自分たちだけでつくり始めた瞬間、畑は研修時代とはまったく違った姿を見せる。3人は、「売るための野菜」をつくる過程で、様々な困難に直面した。だからといって、3人が農業の難しさに直面して立ち往生しているわけではない。その意味を考えることが、今回の目的のひとつになる。

 まず、経営の概要をみておこう。栽培品目はレタス、ナス、オクラ、トウモロコシ、トマト、ジャガイモ、長ネギ、枝豆など30~40種類。中心は小松菜だ。品目を絞って大規模に効率的に生産する産地型の農業ではなく、鮮度を武器に幅広い品目を切れ目なく出荷する典型的な都市型の農業だ。

 面積は40アール。3人が生活を成り立たせるには十分とは言えないが、スタートの面積としては妥当な規模だろう。売り先は近くの直売所と学校給食、レストランを販路に持つ野菜の販売会社などだ。近くの居酒屋やマルシェなどにも出荷している。

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