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野安 ゆきお(のやす・ゆきお)

ゲームジャーナリスト

野安 ゆきお

1968年生まれ。ファミコン時代からゲーム雑誌編集部に所属し、ゲームジャーナリストとして活動。1000本以上のソフトをプレイし、100冊を超えるゲーム攻略本の制作に参加した。雑誌編集部勤務の後、編集プロダクション勤務を経て、現在はフリーで活動中。
めまぐるしく変化していくゲームビジネスの潮流を、あくまでも「プレイヤーの視点・消費者の視点」から解説することを心掛けている。

◇主な著書
電車で読む! ソーシャルゲーム 横浜DeNAベイスターズが誕生した理由』(日経BP社) 2012年

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

 仕事柄、いろいろなゲームに手を出すものの、やはり最後はニンテンドー3DSの「すれちがい広場」で遊べるゲームに戻ってきてしまう昨今。「すれちがいガーデン」で花を育て、「すれちがい合戦」で城を大きくし、「すれちがい迷宮」でダンジョンを攻略し、「すれちがいシューティング」でSF気分を味わってます。こういった、わずか500円で延々と遊べてしまうゲームが簡単にダウンロードできるのだから、すごい時代になったものです。

 ゲームというのは、極論するならば「時間つぶし」です。そして、いまの日本でもっとも「つぶしたい時間」は、電車などでの移動中に発生します。

 前述の4つのゲームは、電車内などで「他のニンテンドー3DSユーザーとすれ違う」ことにより、どんどん楽しくなっていくよう設計されている。このため、もっとも時間をつぶしたい移動中に、その時間をつぶすための最適で、だから、ついプレイしたくなるのでしょう。「ユーザーに時間を忘れさせ、熱中させる」ためにパワーを注ぎ込んだ大作ゲームが苦戦する中、こういった「空き時間をピンポイントで狙ったゲーム」がヒットしているのは、ゲームの新しい可能性を切り開いているなぁ……と感心しきりの昨今です。

ゲームナビゲート

社会現象となりつつある「妖怪ウォッチ」

2014年5月15日(木)

 この春、もっとも元気なゲームは「妖怪ウォッチ」(ニンテンドー3DSソフト/販売元:レベルファイブ/発売中/価格:税別4571円)で決まりです。

低年齢層を中心に爆発的な人気を誇る「妖怪ウォッチ」。GW開けの現在、あらゆる関連グッズ類が品薄になっているほどだ。

 小さなお子様がいる方は、その爆発的な人気ぶりをご存知でしょう。2013年7月の発売時点では、ほぼ無名のゲームソフトでしたが、2014年2月に累計販売本数50万本を達成。その2か月後の4月には販売本数100万本を突破し、堂々のミリオンセラーに到達しました。ちなみに、これはパッケージ版のみの数値であり、ダウンロード版を含めると、さらに大きな売れ行きとなっているようです。

 その人気ぶりはすさまじく、東京駅構内にある関連グッズショップ「妖怪ウォッチ 発見!妖怪タウン 東京駅一番街店」は、オープン直後に商品が次々に完売してしまい営業を急遽停止。再開後も、入店のためには事前のweb抽選が必要となるという、グッズショップとしては異例づくめの営業スタイルになっているほどです。

 「人気シリーズの続編しかヒットしない」と言われがちな昨今の家庭用ゲーム機市場で、ゼロの状態から販売されたソフトが、どうしてここまでの爆発的ヒットを達成したのでしょう?

 その秘密は、きわめて緻密なメディアミックス戦略にあります。今回は、家庭用ゲーム機市場が不振の中、狙いすましたように大ヒットを獲得してみせた、その戦略についてご説明します。

低年齢層を狙いすましたソフト開発

 まずはゲームの中身から、ご説明します。

 「妖怪ウォッチ」は、妖怪のいる日常を描いた、不思議で奇妙な妖怪ファンタジーRPG。主人公が住むさくらニュータウンの中で、さまざまな妖怪と出会い、友達になっていくというストーリーです。

 「ポケットモンスター」に似ているなぁ、と思われた方もいるでしょう。たしかに、これは「ポケモン」の成功以来、数多く作られたモンスター収集系ゲームのひとつ。それらの中でも、とびきりの傑作ソフトといっていいでしょう。

 ただし「妖怪ウォッチ」は、それらの類似ゲームとは大きく違う点もあります。そこに壮大な冒険物語が存在しないことです。舞台となるのは、自分が住んでいる町ですし、巨大な敵組織もいません。戦う相手はおらず、主人公は日常の生活の中で、町の中にいる数百種類もの妖怪と出会い、友達になっていくゲームなのですね。

 出てくる妖怪の造詣も、刺々しいものは少なく、ほんのりギャグテイストが混ざった、低年齢層にも愛される可愛らしいものが多くなっています。こうして「妖怪ウォッチ」は、こうしてRPGから競争や対立といった要素を薄めて、男女を問わず、低年齢層に愛されることに成功しました。

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三品 和広 神戸大学教授