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川島 蓉子(かわしま・ようこ)

ifs未来研究所所長

川島 蓉子

1961年新潟生まれ。早稲田大学商学部卒業。文化服装学院マーチャンダイジング科修了。伊藤忠ファッションシステム入社。2013年から現職。多摩美術大学非常勤講師。Gマーク審査委員。ファッションという視点から、さまざまな分野の企業のブランド作りなどのプロジェクトにかかわる。日経MJ、ブレーン、読売新聞などで連載を持つ。

◇主な著書
川島プロジェクト』(文藝春秋) 2010
伊勢丹ストーリー戦略』(PHP研究所) 2012
エスプリ思考』(新潮社) 2013

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

「ダサい社長」が日本をつぶす!

営業する法務部で、仕事の醍醐味を覚えました

2017年6月14日(水)

 伊藤忠商事の事業会社のひとつ、伊藤忠ファッションシステムに私が入社して今年で33年。こんなに長いことお世話になると思っていなかったが、それだけ恵まれた環境を与えられてきたのだと思う。

 ただ日本の企業の多くがそうであるように、女性が働く場としての課題はずっと感じてきた。そんな中、大手総合商社初の女性執行役員として、2013年に伊藤忠商事の執行役員に茅野みつるさんが就いたのは朗報だった。伊藤忠商事の企業広告のプロジェクトを通し、茅野さんと知り合いになって、明るくはきはきてきぱきしたキャラクターに「こういう方だから大役を担われたんだなあ」と腑に落ちた。

 茅野さんの趣味は声楽。それも、サントリーホールの小ホールを借り切ってリサイタルを行うほどのレベル。そこで聴いた茅野さんの歌声は高らかで胸に響く。天は二物を与える。

 今年2017年4月の人事異動で、茅野さんは日本を離れ、伊藤忠商事の米国ビジネスを見る経営陣としての道に進むことに――これまた、総合商社初の海外支社女性トップに抜擢である。

 そんな茅野さんが、どんな育ち方をして、どんなキャリアを積んで今にいたったのか。彼女にとって、かっこいいこと、かっこ悪いこととは?

(前回の記事「キャリアウーマンよ、スポンサーを見つけなさい」から読む)

川島:茅野さんが、伊藤忠商事初の女性執行役員に大抜擢されたのは、いつでしたっけ?

茅野:ちょうど4年前の2013年のことです。

茅野みつるさん
伊藤忠インターナショナル会社EVP(Executive Vice President)兼 伊藤忠インターナショナル会社CAO(Chief Administrative Officer)兼 伊藤忠カナダ会社社長。
オランダ生まれ。スミス・カレッジ卒業(BA cum laude)、コーネル・ロースクール修了(JD)。カリフォルニア州弁護士。国際法律事務所のパートナーを経て、伊藤忠商事に入社。2013年、大手総合商社初の女性執行役員に就任。17年4月から現職。
05年には世界経済フォーラムから「若きグローバルリーダー」に選ばれる。06年には、アジア・ソサイエティより「Asia 21」、Newsweekより「世界が認めた日本人女性100人」に選ばれる。声楽家としての活動も積極的に続ける。(写真:大槻純一、以下同じ)

川島:伊藤忠の法務のまさに元締めになったわけですね。総合商社の法務の仕事、実は私もよく知らないんです。

茅野:同じ総合商社でも、法務って会社によってカラーが違うんです。総合商社に関わらず一般的な企業法務部の仕事といえば、取締役会の運営といった文書的な仕事を担う、あるいは各部署から出てきた書面の法務的なチェックを行うといったイメージがあるかと思います。一方、伊藤忠商事の法務の仕事は全然違う。最前線に出るんです。

川島:最前線に出る?

茅野:伊藤忠商事の法務部の仕事は、営業と一緒に債権回収をやるところから始まる。バックヤードでフォローするのではなく、法務部自ら営業と動くんです。この企業風土が脈々と息づいている。たとえば営業が、「こんな新しいプロジェクトを考えている」と法務部に持ちかけたとします。そのときは、ただ法務的な書類チェックをやるだけでなく、プロジェクトのメンバーとして営業と一緒に仕事をする。取引先と覚書を結んで市場調査を行う仕事や、競争入札の中身を見たりとか。そのうえ、総合商社なので、すべてのカンパニーのさまざまな分野の仕事に携わることができる。法務というのはディフェンスの仕事というイメージが強いですが、伊藤忠の法務は、オフェンスとして動ける。それだけにやりがいもあります。

川島:まさに営業する法務部ですね。

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牛島 信 弁護士