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岡田 正大(おかだ・まさひろ)

慶応義塾大学ビジネス・スクール教授

岡田 正大

1985年早稲田大学政治経済学部政治学科を卒業し、本田技研工業入社。慶応義塾大学大学院で経営学修士(MBA)を取得。米アーサー・D・リトルの日本法人を経て、米ミューズ・アソシエイツ社フェロー。米オハイオ州立大学大学院でPh.D.(経営学)を取得。慶応義塾大学大学院経営管理研究科准教授を経て2013年10月に教授に就任。専門は経営戦略論。「包括的(BOP)ビジネス戦略研究フォーラム」を主宰。慶応ビジネススクール・グローバル競争力セミナー主管。経済産業省BOPビジネス支援センター運営協議会委員、同省新中間層獲得戦略研究会委員、同省アフリカビジネス研究会委員。

◇主な著書
企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続』(ダイヤモンド社) 2003
企業戦略論【中】事業戦略編 競争優位の構築と持続』(ダイヤモンド社) 2003
企業戦略論【下】全社戦略編 競争優位の構築と持続』(ダイヤモンド社) 2003

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

MBA看板教授が読むビジネス潮流

オープンなグローバルコミュニティーで「個」の力の育成を

2013年10月25日(金)

 企業のビジネスを巡って日々流れるニュースの中には、今後の企業経営を一変させる大きな潮流が潜んでいる。その可能性を秘めた時事的な話題を毎月1つテーマとして取り上げ、国内有数のビジネススクールの看板教授たちに読み解いていただき、新たなビジネス潮流を導き出してもらう。

 10月のテーマは「グローバル化の誤解を正す」。多くの日本企業がいま、少子高齢化による人口の減少などで縮小し続ける国内市場に安住せず、海外市場に打って出て成長の機会をとらえようとしている。そのために、グローバル人材育成など「グローバル」と銘打った様々な施策に取り組んでいるが、中にはグローバル化の本質を見誤り、成果を上げられていないケースも少なくないようだ。

 そこで真に求められるグローバル化とはどのようなものなのか。そのために本当に取り組むべき施策は何か。国内ビジネススクールの教壇に立つ4人の論客に、リレー形式で登場し、持論を披露してもらう。

 前回に続き、今回も慶応義塾大学大学院経営管理研究科の岡田正大教授の論考を紹介する。グローバルビジネスを行う人材には、ターゲットとする市場によって「タイプA人材」と「タイプB人材」がある。今回は、新興国、途上国を中心とした地球全域でビジネスを進めるのに必要なタイプB人材はどのように育成すべきかを語ってもらう。

(構成は小林佳代=エディター/ライター)

 前回、日本企業のグローバル化戦略には、先進国や新興国のハイエンド市場をターゲットに、既存事業モデルの延長上で市場を拡大するアプローチを取る「タイプA」と、新興国、途上国をターゲットに新たなビジネスエコシステムを構築するアプローチを取る「タイプB」があることを指摘しました。また、それぞれに適合する「タイプA人材」「タイプB人材」の育成を考える必要があると説明しました。

 まずタイプAとタイプBではリスクに対する態度(リスク性向)が違います。タイプAはどちらかと言うとリスク回避型です。リスクを最小化し、持続的漸増的に企業価値を上げていこうとする。

 一方のタイプBは相対的にハイリスクハイリターン型です。途上国では政情不安をはじめとする地政学的リスク、経済不安、文化や価値観の違いなど、不確実性やリスクが大きくなります。その中で慣れた母国市場よりも積極的にリスクを取り、より高いリターンを目指すビジネスモデルが求められます。そこで自社内で経営資源配分を完結させようとするのではなく、社外の人や組織を組み合わせながらリスクを分散し、吸収することが必要です。

 これまで新興国・途上国市場で、比較的上手にビジネスを拡大することができた企業は、自社の既存製品そのものが途上国ニーズにもそのまま適合しやすい食品や日用品、一部の産業財などの企業が中心でした。この場合は、タイプAのモデルや人材のままでも十分成功できたのです。しかし、それ以外の分野の製品で、混沌とした新市場に挑戦するならば、タイプBのモデルや人材が必須です。

 タイプBで獲得を狙う市場は、実はその新規性や不確実性の高さ、リスクの高さ、つまり既存のレジームやパラダイム、発想法やロジックが通用しない点において、シリコンバレーを震源に世界へ広がったネット業界によく似ているかもしれません。2000年前後に一気に出来上がったシリコンバレー流の生態系構築が、今後は新興国や途上国を舞台に強く求められていくと考えられます。

 かつてシリコンバレーにタイプAのモデル・人材で臨んだ日本企業の多くは失敗しました。ここから考えても、新興国・途上国市場に打って出るためにはタイプBのモデル、人材育成に力を入れることが重要な企業戦略となります。

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