• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

井上 潤吾(いのうえ・じゅんご)

ボストン コンサルティング グループ シニア・パートナー

井上 潤吾

東京大学工学部卒業。同大学院工学系研究科修了。米ペンシルベニア大学経営学修士(MBA)。日本電信電話株式会社、ボストンコンサルティンググループ(BCG)アムステルダムオフィスを経て現在に至る。 ハイテク、産業財メーカーなどの業界を中心に、事業構造改革、新規事業立ち上げ、研究開発の活性化、営業改革などのプロジェクトを数多く手がけている。金融・ITユーザー企業向けIT活用支援の経験も豊富。BCGインフォメーションテクノロジー・プラクティス、トランスフォーメーション・ プラクティスの日本リーダー。

◇主な著書
守りつつ攻める企業 ―BCG流「攻守のサイクル」マネジメント』(東洋経済新報社) 2011

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

徹底予測2015 BCGが注目する4つの産業トレンド

技術のカギは「入力」「融合」「転用」

2014年12月9日(火)

 新興国の失速で世界経済の牽引役が見当たらない中、円安・株高を導き、国内の景気を押し上げてきたアベノミクスにも変調の兆しが見え始めた。国内外で先行きの不透明感が増す中、来る2015年をどう見通せばいいのか。そのために押さえておくべき4つの産業動向を、ボストン コンサルティング グループ(BCG)のパートナーが解説する。今回は、幅広い産業の先行きを大きく左右する「技術革新」の未来について考察する。

 2014年は青色LED(発光ダイオード)の研究で赤崎勇氏、天野浩氏、中村修二氏がノーベル物理学賞を受賞し、iPS細胞を使った世界初の再生医療に関する手術も行われた。こうした発見も、分解すれば小さなイノベーションや日々の地道な努力の積み重ねで成り立っている。

 今後の技術革新はどこへ向かうのか。企業は革新のためにどのように日々の取り組みを推進すべきか、新しいアイデアを事業価値につなげるには何が必要なのか。企業の成長戦略の実行を手伝ってきた立場から見えてくる「技術の未来」について考察する。

可能性を秘めるセンサー技術

 今後の技術革新においては「入力」「融合」「転用」の3点がキーワードになると考えている。

 第1の「入力」とは、「入力→処理→出力」という流れの最初の工程、センサーの分野を意味する。現在、ディスプレーなど出力系は、従来のフルハイビジョン(HD)の4倍の画素数を持つ4Kや、同8倍の8Kの登場で、高精細化や大画面化は成熟期に入った。今後は小型軽量化、折れるディスプレー、低電力化などの方向で技術が進化し、そこでは汎用化が焦点になると考えられている。

 「処理」では、ビッグデータの進展で大量のデータを瞬時に処理することが可能になった。SNSの「つぶやき」、動画サイトなどの非構造化データを処理できるようにもなりつつある。

 ところが、川上の入力系、つまりセンサー分野の技術革新は発展途上。地球上には大気中の汚染物質や、ダムの水位、風の強さ、湿度・温度、橋梁のヒビなど、活用可能なデータが散在している。こうしたデータを取得・蓄積し、横串で分析できれば、新たな価値が生まれる。

 出力や処理が汎用化していくなか、戦略的視点で入力の領域を押さえた企業は業界を制すると言われている。独自のコア技術を持つ日本が強みを発揮できる領域でもある。

 個人的には、電波と光の中間の性質を持つテラヘルツ波関連の技術革新に注目している。

 素材の透過性が高く、橋梁のコンクリート内のひび、食物に含まれる有毒物質、組み立て後の製品などに対し、従来の周波数では感知できなかったレベルでのチェックが可能になる。ランダム検査ではなく、全製品を調べられるようになるため、品質向上にも役立つ。

続きを読む

著者記事一覧

もっと見る

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授