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小島 武仁(こじま・ふひと)

米スタンフォード大学経済学部准教授

小島 武仁

2003年東京大学経済学部卒業。2008年米ハーバード大学から経済学博士号取得(Ph.D.)。米エール大学ポストドクトラルアソシエイトを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

「気鋭の論点」

選挙制度改革に使いたい最新理論

2014年1月7日(火)

 政治は誰の生活にも大きく影響を与える。どのような政治が行われている国や地域に住むかによって、人生はかなり違うものになるだろう。

 近代経済学に政治経済学という学問領域がある。名前を聞くと、政治と経済について研究する分野かと思われる方が多いかもしれない。しかし実際は、政治の問題を経済学の視点を使って研究する、という性質のものだ。経済学の視点、とは大雑把に言ってしまえば数学を使うということだ。つまり政治経済学では、数学を使って政治の諸問題を分析するのだ(ただし政治経済学という用語は他分野にて別の意味で使われることもあるが、今回はその話はしない)。

数学なんかで政治が分かるのか?

 政治のことが、数学なんかで分かるの?と思われる方がいるかもしれない。もっともな疑問だ。正直言って、今はまだよく分からない。だから政治経済学者達は今でも頭を悩ませている。だが、少しずつ分かってきたこともある。

 この記事では、そんな政治経済学の分野で筆者2人が6年間にわたり研究してきた成果を紹介しよう。この研究成果は学術論文(詳しくは参考文献を参照)となり、つい最近American Economic Journal:Microeconomicsという経済学の専門誌に掲載されることが決定した。

 政治活動の中で最も重要な要素のひとつは選挙だろう。世界の多くの国が程度の違いこそあれ民主主義国家であり、国民の意思を国家運営に反映させるための手段として選挙を多く用いている。この選挙を数学の力を借りて分析したのが我々の論文である。

 数学を使って選挙を分析するというアイデア自体はかなり古く、少なくとも1920年代からある(もっとも、「誰が初めてか」をはっきり決めるのは難しい。例えばフランス革命前後に活躍した数学者コンドルセなどは有名だが、今回は省略する)。以下では、この1920年代に現れたアイデアを解説し、それからその後100年弱の間の選挙の理論の発展を概観する。最後に、我々の最新論文がその発展にどう寄与したかを説明する。

ホテリング教授の理論

 1920年代、スタンフォード大学の数学学部で教鞭を取っていたハロルド・ホテリング教授は、選挙で候補者がどのような政策を打ち出すかについて、数式を使って予測するという画期的なアイデアを思いついた。彼のモデルを少し簡略化したバージョンを提示しエッセンスをお伝えしよう。

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グローバル市場でいい仕事をしたければ、まず「世界に通用する見識」を磨くことだ。

中谷 巌 「不識塾」塾長、一橋大学名誉教授