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井上 哲浩(いのうえ・あきひろ)

慶応義塾大学ビジネス・スクール教授

井上 哲浩

1987年関西学院大学商学部卒業。89年同大学院商学研究科博士課程前期課程修了。92年同後期課程単位取得中退後、96年米カリフォルニア大学ロサンゼルス校で経営学博士号取得。関西学院大学商学部専任講師、助教授、教授を経て2006年から現職。専門はマーケティング・マネジメント、マーケティング・サイエンス、マーケティング・コミュニケーション・マネジメント

◇主な著書
マーケティング』(共著、有斐閣) 2010
戦略的データマイニング-アスクルの事例で学ぶ』(共著、日経BP社) 2008
Webマーケティングの科学』(編著、千倉書房) 2007

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

MBA看板教授が読むビジネス潮流

メディアを拡張したマーケティングとは

2013年12月4日(水)

 企業の経営に影響を及ぼす可能性のある時事的な話題を取り上げ、国内有数のビジネススクールの看板教授たちにそのインパクトを読み解いていただくシリーズ。

 今シリーズのテーマは「ポスト『マス広告』時代のマーケティング」。マス広告を通じて大量生産・大量販売するという従来の方法が機能しなくなっていると言われる。そうした中、企業のマーケティングや経営戦略はどうあるべきなのか。国内ビジネススクールの教壇に立つ4人の論客に、リレー形式で登場し、持論を披露してもらう。

 前回に続き今回も慶応義塾大学大学院経営管理研究科の井上哲浩教授が登場。自動販売機をメディアの1つとしてマーケティングに活用し始めた日本コカ・コーラ、全社的横断的な組織でマーケティング戦略の構築・管理を行っている大和ハウス工業など、新たなマーケティングに取り組む企業の例などを紹介してもらう。

(構成は小林佳代=ライター/エディター)

慶応義塾大学ビジネス・スクールの井上哲浩教授(写真:陶山 勉)

 前回の最後で、従来型のマスメディアにSNS(交流サイト)、ネットなど新しいメディア、ツールも含めたマーケティング戦略を構築するうえでは、「マーケティングROI(Return of Investment=投資利益率)」を測る仕組みをきちんと持って経営資源を投入していくことが重要だと説明しました。

 マーケティングROIの計測をして、従来型の予算配分を見直した企業の1つが日本コカ・コーラです。メディア特性を十分に考慮した上で、同社が新たなメディアとして見出したのは、意外にも「自動販売機」でした。

 自販機というのは当然ながら流通チャネルの1つです。ところが日本コカ・コーラは「消費者と日々、接点がある」という特性を生かし、メディア、コミュニケーションツールとして利用しようと考えたのです。

 日本コカ・コーラがメディアとして活用している自販機の1つが「ピークシフト自販機」。東日本大震災の後、24時間、電気を使っている自販機に対する批判の高まりを受けて開発したもので、飲料を冷却するための電力使用を日中から、比較的電力に余裕がある夜にシフトし、最大で95%の電気消費量を削減します。

 このように開発段階では省エネを目的としていたのですが、開発後はコミュニケーション戦略の一環として活用しています。ピーク自販機向けのアプリケーションソフトを開発。アプリを起動したスマートフォンを自販機にかざすと、クマのキャラクターが登場するコンテンツがスマホ画面上に再生されるようにしたのです。時間帯や天候によって流れるコンテンツの内容が変わって非常に面白いものになっています。

 さらに発展的な取り組みが缶コーヒー「ジョージア」の98万台の自販機。この自販機と連動するアプリ「話せる自販機 GEORGIA」を開発し、利用者がアプリをダウンロードすると、永作博美、小林麻耶など6人の女性タレントの中から1人を「店長」に選択し、特定の自販機を馴染みの店として登録できるようにしました。

 自販機の近くを通ると店長に選んだ女性タレントが「いらっしゃいませ」などのメッセージを発信します。自販機への接近回数、ジョージアの購入回数などで親密度が高まり、会話の内容も変化します。ふらっとお店に立ち寄ったかのような感覚を味わえる仕掛けとしています。

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牛島 信 弁護士