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藤川 佳則(ふじかわ・よしのり)

一橋大学大学院国際企業戦略研究科准教授

藤川 佳則

一橋大学経済学部卒業。同大学院商学研究科修士。米ハーバード大学経営大学院でMBA(経営学修士)を取得、 米ペンシルバニア州立大学大学院でPh.D.(経営学)を取得。ハーバード大学経営大学院研究助手、ペンシルバニア州立大学講師、オルソン・ザルトマン・アソシエイツ(コンサルティング)、一橋大学大学院国際企業戦略研究科専任講師を経て現職。専門はマーケティング、サービス・マネジメント、消費者行動論。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

MBA看板教授が読むビジネス潮流

新しいメディアに飛びついても問題は解決しない

2013年12月12日(木)

 企業の経営に影響を及ぼす可能性のある時事的な話題を取り上げ、国内有数のビジネススクールの看板教授たちにそのインパクトを読み解いていただくシリーズ。

 今シリーズのテーマは「ポスト『マス広告』時代のマーケティング」。マス広告を通じて大量生産・大量販売するという従来の方法が機能しなくなっていると言われる。そうした中、企業のマーケティングや経営戦略はどうあるべきなのか。国内ビジネススクールの教壇に立つ4人の論客に、リレー形式で登場し、持論を披露してもらう。

 今回は、一橋大学大学院国際企業戦略研究科の藤川佳則准教授の見解を伺う。同准教授は、モノとサービスを分けないという考え方を出発点とし、「価値作り」をキーワードに企業活動のあり方を解き明かす。そのうえで、マーケティングのあり方を変えるのは、メディアではなく、世界観のシフトだと説く。

(構成は秋山基=ライター)

一橋大学大学院国際企業戦略研究科の藤川佳則准教授(写真:陶山 勉)

 私は、マーケティングを「価値作り」という観点でとらえると、今、ビジネスの世界で起きている様々な現象を理解しやすいのではないかと考えています。

 近年では、価値作りに関する世界観が大きく変わりつつあります。「誰が、どのような種類の価値を、いつ最大化するのか」というロジックが、「モノ中心」の考え方から「サービス中心」の考え方へとシフトしつつあり、そのことがマーケティングのあり方に変化をもたらしています。

 世の中の経済活動はモノ中心に動いているという前提に立ち、モノとサービスを分けて考えようとする世界観を「グッズ・ドミナント・ロジック(Goods-Dominant Logic、以下G-Dロジック)」と呼びます。

 私たちは長い間、このG-Dロジックにとらわれてきました。モノとサービスは違うものであり、それぞれ分けて考えるべきだという「常識」は、日本人や日本企業の間に根強く残っています。

 しかし、現実の企業活動においては、既にモノとサービスを分けて考えることは困難になってきています。

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