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鬼頭 孝幸(きとう・たかゆき)

ローランド・ベルガーパートナー

鬼頭 孝幸

東京大学法学部卒業後、米国系戦略コンサルティング会社、ベンチャー経営を経てローランド・ベルガーに参画。化粧品、食品、アパレル、総合小売など消費財・流通業界を中心に、海外・新興国展開、ブランドマネジメント、マーケティング戦略、事業戦略の立案・実行支援に豊富な経験を持つ。ブランドやグローバル戦略などに関する寄稿・講演多数。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

欧州発・最新“マルシェ”

お客さんの買い物カゴの中身が分かっていますか?

2013年12月24日(火)

 「顧客に関する深い理解は、売場レイアウトやマーチャンダイジング、価格や販促などすべての事業運営を規定する根幹である」

 これは、世界第2位の小売企業、フランス・カルフールのあるマネジメントのコメントだ。これをひと言で表せば、顧客理解こそが店づくりの根幹、ということになろう。つまり、顧客の視点から、いかに彼らのニーズを満たせるような店づくりをするか、ということだ。

 「顧客の視点に立った店づくり」など当たり前ではないか。それの何が新しいのか。恐らく、多くの読者がそう思われるのではないか。ターゲットとなる顧客を定義し、そのニーズを読み取り、時には顧客自身ですら気付いていない潜在的なニーズをも先読みして商品を開発し、サービスを提供する。消費者相手のビジネスでは、そうした考え方は当然のものとされている。

 消費者を相手にする小売りでも、そうした考え方が当たり前ではないか。そう思っても不思議ではない。しかし、小売りというビジネスをよく見ると、実は必ずしもそうではないことが分かる。そしてそれは、欧州の小売り企業も例外ではない。実際、少なくない小売り企業が市場の変化に対応することに苦慮し、苦戦を強いられている。そうした企業の多くが「顧客の視点をすっかり失ってしまっている」(ニティン・サングハビ、マンチェスタービジネススクール・リテールマーケティング教授)からだ。

 特に大手小売り企業の多くは、実は顧客の視点に立った店づくりができていない。例えばマーチャンダイジング。どういった商品をどのくらい取り揃えるか。その基準は多くの場合、前年の売り上げ実績、メーカーからのリベートやバックマージンなどサポートの多寡、小売りにとっての粗利率、在庫回転率などである。そこには、顧客のニーズや購買行動という要素は、あまり含まれていない。

 もちろん、売上実績や在庫回転は売れ行きと大いに関係があり、その意味では顧客のニーズや購買行動を包含しているとも言えるが、それはあくまでも“結果”であり、本当の意味での顧客のニーズや購買行動とは直接関係はない。

小売り企業には顧客が見えない・・・

 そもそも大手小売り企業にとっては、自社の店舗にどういった顧客が訪れ、どのように買い物をしているか、把握することは容易ではない。毎日何千人何万人という顧客が訪れ、買い物をしていく。その一人ひとりの購買行動を把握することは実はかなり難易度の高いことだ。昔ながらの個人商店であれば、店主は当然馴染みの顧客の顔や家族構成、購買パターン、好みなどを把握しているし、そうした“顧客理解”に基づいて商品を仕入れることができる。来店する顧客の顔を見て、その顧客のニーズや嗜好にあった“オススメ”を提案することもできる。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官