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大林 厚臣(おおばやし・あつおみ)

慶応義塾大学ビジネス・スクール教授

大林 厚臣

1983年京都大学法学部卒業。日本郵船勤務を経て、96年米シカゴ大学でPh.D.(行政学)取得。同年慶応義塾大学大学院経営管理研究科(ビジネス・スクール)専任講師、98年助教授、2006年から現職。この間2000~2001年スタンフォード大学客員助教授、2001~2006年社会技術研究システム研究員、2007~2011年慶応義塾大学グローバルセキュリティー研究所上席研究員を兼任。研究分野は「技術革新の目標設定と経営戦略」「リスクマネジメントと事業継続」など。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

MBA看板教授が読むビジネス潮流

「失敗コスト」小さく挑戦可能な仕組み作りを

2014年1月16日(木)

 企業の経営に影響を及ぼす可能性のある時事的な話題を取り上げ、国内有数のビジネススクールの看板教授たちにそのインパクトを読み解いていただくシリーズ。

 今回のテーマは、企業が2014年に取り組むべき経営課題。2013年にはアベノミクスに伴う円安・株高を追い風に多くの企業で業績が好転した。その流れを持続するためにどのような課題があり、その解決にどう取り組むべきか。国内ビジネススクールの教壇に立つ4人の論客に、リレー形式で登場し、持論を披露してもらう。

 前回に続いて慶応義塾大学ビジネス・スクールの大林厚臣教授の論考を紹介する。画期的な製品・サービス開発のためのトライ&エラーを繰り返すことができるよう、「失敗コスト」を小さくする仕組み作りが必要だと説く。

(構成は小林佳代=ライター/エディター)

慶応義塾大学ビジネス・スクールの大林厚臣教授(写真:陶山 勉)

 2013年、日本企業は「アベノミクス」効果による円安や株高によって業績が上向きました。2014年以降、真の成長・飛躍を遂げるには、市場で圧倒的な支持を得られるような画期的なモノ・サービスを生み出せるか否かがカギとなります。

 イノベーティブな製品・サービスの開発には、試行錯誤が必要です。成功確率を高めようとすると当たり前のことを手がけたり、成功している他社の後追いをしたくなってしまいます。それでは結局インパクトの小さいものしかできません。インパクトが大きい、全く新しいモノ、コトであれば、やってみなければ、うまくいくかどうかは分からないのですから、ある程度、失敗したり、予定外のことが起きたりすることは避けられないのです。

 数をこなし、失敗も経なくては成功が出てこないとなると、個々の「失敗コスト」を小さくする仕組みが必要です。

 新しく機械を購入するとか、ほかの企業を買収するとなるとキャッシュが流出します。けれども、日本企業の多くは人件費がほぼ固定費的に発生していますから、人の知恵と創意工夫で生み出せるものであれば、実質的な追加のコストは少なくて済みます。例えばコンテンツやソフトウエアの開発などはほぼ人件費だけでできる業務ですから、どんどんトライ&エラーしていいと思います。

 そういう意味では、人件費がかかっている人材が、モチベーションを高く維持しながら仕事に関われるような仕組みを作ることが重要となります。

 韓国のサムスン電子は若手社員を1年間、海外に行かせて好きなことを自由にやらせる制度を取り入れています。これによってかかるコストは1年間の人件費程度。そこでビジネスの種を探し出したり、人的ネットワークができる可能性があるのですから、有効な試行錯誤の仕組みの1つと言えます。

 米スリーエムにも、研究者は執務時間の15%を自分の好きなテーマに使ってよいとする「15%ルール」があります。そこで面白いものが出てきた場合は、会社に報告する。採択されれば正式なプロジェクトにして資金と人が付くという仕組みです。これも、社員のやる気を引き出しながら、トライ&エラーを低コストで行う仕組みです。

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