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デヴィッド・トング(でゔぃっど・とんぐ)

工業デザイナー/ザ・ディヴィジョン創業者

デヴィッド・トング

数多くの賞を受賞している英国の工業デザイナー。米IDEOの工業デザインディレクターなどを歴任した後、2003年に独立し、ロンドンでザ・ディヴィジョンを創業。現在に至る。デル、ヒューレット・パッカード、ナイキ、サムスン電子、LG電子など著名ブランド企業の仕事を手がけ、パナソニック、ブラザー工業、日産自動車、無印良品など多くの日本企業の仕事も請け負ってきた。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

日本製品を再び輝かせるデザイン革命

日本のイノベーションを改善する5つの方法

2014年3月3日(月)

 これまで4回の記事で、日本のイノベーションが直面している重要な問題と可能性のある解決策やプロセス、さらに状況を改善するのに役立つ考え方について書いてきました。

 最後にこれまでの記事の中から、あなたやあなたのチームがよりイノベーティブで効果的になり、競争力を有して、的の絞れたものになるかガイドとなる5つのステップに焦点を当てたいと思います。このアドバイスに従うことであなたのビジネスが一夜にして良くなるという保証はありませんが、徐々に改善と価値を見いだすことになると思います。

(1)ユーザー中心で低リスクのプロセスを採用する

 最初の記事でハイライトしたように、大半の日本企業はリスクの高いデザインプロセスを持っています。それは通常、最初に技術または製品のアイデアをつくり、消費者に十分な質問もせずに発売して、それがヒットするかどうかを見ます。 これを変更する簡単な方法は、逆のプロセスを採用することです:

 「製品を開発して消費者がそれを買ってくれることを期待するのではなく、消費者のニーズにフィットするよう製品をデザインすべきです」

 もし多くの欧米企業や韓国企業が使っているユーザーベースのデザインプロセスを採用すれば、顧客のニーズと欲求に注力し、技術や製品をそれらに適合するようにデザインすることができます。正しい方向へ向かっているかどうかを知るためにユーザーベースのリサーチやチェックを頻繁に実施すれば、行き詰まりやコストの掛かる開発ミスを避けることもできます。

 同時に、エンジニアリング部門やマーケティング部門といった部門が独立したサイロになっていて、単にプロジェクトを隣の人に渡すだけになっている組織から、社内のヒエラルキーではなく市場のニーズにフォーカスする、より一体感のあるチームへと社内組織を変える調整や実験を行うことができます(これはプロジェクトごとに行うことも可能です)。

 結局、製品を買うのは消費者であり、故に消費者について考えることが最優先事項でなければならないのです。

(2)差別化の手段としてブランドを使う必要がある

 多くの日本企業は、まだ低コストで新しい技術を開発することによって差別化を図ろうとしています。これは、1つの結果しか招きません。どのブランドも全く同じならば、利幅がどんどん薄くなるということです。長期的には、中国などからの低価格の輸入品に対抗しきれずに倒産することになるでしょう。これは既にいくつかの日本企業において起きていることで、同様の事例はさらに増えることは間違いありません。

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面倒くさいことを愚直に続ける努力こそが、 他社との差別化につながる。

羽鳥 由宇介 IDOM社長