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林 英樹(はやし・えいき)

日経ビジネス記者

林 英樹

大阪生まれ。神戸大学法学部卒業後、全国紙の社会部記者として京都・大阪で事件を取材。2009年末に日本経済新聞社に入り、経済部で中央省庁担当、企業報道部でメディア・ネット、素材・化学業界などを担当。14年3月から日経BP社(日経ビジネス編集部)に出向し、製造業全般を取材している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

企業研究

ヒューリック、次の一手は高齢者・観光向け事業

2017年3月28日(火)

 異色の銀行系不動産会社として急成長を遂げるヒューリック。銀行支店という一等地の有効活用で、三菱地所など財閥系企業を追う。次の一手として打ち出したのは観光・高齢者向け不動産ビジネス。秘策は吉と出るか。

(記事中の情報は、「日経ビジネス」2017年1月23日号に掲載した時点のものです)

都心の一等地に優良物件を数多く持つ
●ヒューリックが重視する主なエリアと所有物件

 午前6時、人もまばらな都心の繁華街にヒューリックの西浦三郎会長の姿があった。鋭い目つきで古びたオフィスビルをじっくりと見上げる。後日開かれた経営会議。このオフィスビルの買収が議論となると、西浦会長はすかさず切り出した。

 「この物件のエントランスは表道路ではなく、脇道にある。今のテナントが出るタイミングで改築する手はあるけれど、それが難しければ、次のテナントを埋めるのに苦労するだろう」。議論の結果、買収は見送られた。

 ヒューリックには年1000件以上の不動産物件が持ち込まれ、このうち出資額が30億円以上の物件について西浦会長が自ら下見に出かける。時間がないため、出勤前の早朝や夜の会合後に足を運ぶことも少なくない。

 持ち込まれた物件は原則2日以内に取得の可否を決める。不動産管理・仲介業者から数多くの物件が持ち込まれるのは、この意思決定のスピードの速さによるところが大きい。

 「不動産の風雲児」。業界でそう呼ばれるヒューリックが目覚ましい成長を遂げている。2012年に不動産中堅の昭栄と合併して以降、毎年、過去最高益を更新。直近の2015年12月期連結決算では営業利益が420億円、最終利益は336億円。2016年12月期もともに過去最高を再び塗り替える見通しだ。

 「1兆円企業」の三井不動産や三菱地所、住友不動産に代表される財閥系不動産会社と比べ、ヒューリックの売り上げ規模は5分の1以下にすぎない。中堅クラスの野村不動産ホールディングスや東京建物よりも下回るが、時価総額は財閥系に次いで業界4位だ。

売上高では中堅5社の中でも低い方だが…
●不動産大手8社の売上高ランキング
注:ヒューリックと東京建物は2015年12月期、2社以外は2016年3月期の連結決算
時価総額では財閥系トップ3に続くポジション
●不動産大手8社の時価総額
注:2016年6月末時点の発行済み株式数ベース

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