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ハル・ヴァリアン(はる・ばりあん)

グーグルチーフエコノミスト

ハル・ヴァリアン

1947年生まれ。69年、米マサチューセッツ工科大学(MIT)卒業、73年に米カリフォルニア大学バークレー校で数学修士と経済学博士(Ph.D.)を両方取得。MIT、米スタンフォード大学、英オックスフォード大学など数多くの名門大学で教鞭を執る。専門は情報の経済学、ミクロ経済学。米カリフォルニア大学バークレー校の情報管理学部長を経て2010年から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

新しい経済の教科書2014

グーグルを世界一にした経済学者ハル・ヴァリアン

2014年4月14日(月)

4月14日に発売された日経ビジネスの別冊「新しい経済の教科書2014~2015」。5年目になる今年のテーマは「ビジネスと経済学」だ。冒頭に登場するのが、米グーグルの収益源となる広告モデルを設計したハル・ヴァリアン氏と、ミクロ経済学を専門とする若手経済学者、安田洋祐・大阪大学経済学部准教授である。ヴァリアン氏はトップクラスの経済学者として世界的に知られてきたが、今やIT(情報技術)産業の枢要な「頭脳」となった。いま、情報ビジネスと経済学の最前線で何が起きているのか。本稿では、その対談内容の一部を紹介する。(写真:林幸一郎、以下同)

安田:グーグルをはじめとする検索エンジンの収益の大半は、「検索連動型広告」と呼ばれる企業広告の広告料です。よく検索結果ページの上部や脇に表示されているあれですね。ハル・ヴァリアンさんが知見を生かして作り上げた最先端のオークション理論を、グーグルが活用して大きく成長してきたことは広く知られています。オークションとは、売り手が1人で買い手が多数の取引のことで、オークション理論はその市場の仕組みを理論化したものです。

 ヴァリアンさんは日本でも、『入門ミクロ経済学』、そして大学院生向けの『ミクロ経済分析』の2冊の教科書を出版されており、世界的に大変著名な理論系の経済学者です。

 そんなヴァリアンさんがなぜ、広告オークションの仕組みをいったん作った後も、引き続きチーフエコノミストという肩書でグーグルに関わり続けることになったのでしょう。

エリック・シュミット会長の誘いで研究

ヴァリアン:私がグーグルでの仕事に関わり始めたのは2002年でした。当時の私は、米カリフォルニア大学バークレー校の情報管理学部長でした。休暇中、旧友であるグーグルのエリック・シュミット氏(現会長)に偶然会って、声をかけられたのです。

 当時のグーグルはとても小さな会社でした。社員も300人程度しかいなかった。「何をすればいいんだい?」とシュミット氏に聞くと、「広告オークションについて調べてくれないか。多分何らかの収益につながると思うんだが」と言ってきたのです。

 つまり、広告オークションの仕組み作りが私の最初の仕事でした。広告オークションから得られるデータを統計的に分析することなどに1年費やし、バークレーに戻りました。

 その後も、グーグルへの助言は週に1度のペースで続けました。今度は、収入予測モデルの開発に携わったのです。俗に言う「クエリ予測モデル」(編集注:クエリとは、データベースからデータを抜き出したり、操作したりする命令をするための文字列や、検索のため検索エンジンに入力する文字列などのこと)です。グーグルが2004年に上場した後は、再び新たなオークション設計に取り組むことになりました。

安田:ところで、現在はどのような体制でお仕事をされているのですか。

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