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中島 大輔(なかじま・だいすけ)

小樽商科大学商学部経済学科教授

中島 大輔

2006年米プリンストン大学よりPh.D.(経済学)取得。米ミシガン大学経済学部講師、同助教授、小樽商科大学商学部経済学科准教授を経て2013年から現職。専門は理論経済学、特に意思決定理論、ゲーム理論、行動経済学。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

新しい経済の教科書2014

「一番好きではないのに選んでしまった」を理論化する

2014年4月25日(金)

別冊「2014~2015年版 新しい経済の教科書」では、ビッグデータ分析に関して特集しています。本稿ではマーケティング分野で生かせるビッグデータ分析手法の背後にある経済理論の1つ、顕示選好理論について、この研究で実績のある中島大輔・小樽商科大学教授がご紹介します。

 渡辺安虎・米ノースウエスタン大学経営大学院助教授による、次世代自動販売機の売り上げデータから消費者の考えていることを読み取る研究が、日経ビジネスオンラインの2013年9月30日の記事「今日売れるのはホット飲料か、コールドか 最先端の経済学が明かした、エキナカ自販機1台ごとの『売る力』」で、紹介された。渡辺教授は、筆者の長年の悪友でもある。

 実はこの研究の背景には、経済学のもっとも重要な概念である「顕示選好」の理論が隠れている。「顕示選好」の考え方は、一言でいえば「消費者が実際に選んだものから消費者の好みを推計する」というもので、経済学のみならずマーケティングにも大いに応用できる考え方だ。

 しかし、本稿で紹介されている次世代自動販売機などのように、あまりに選択肢が多くて消費者が全部の商品を比較できないような状況ではどうすればいいのかがこれまで議論されてこなかった。本稿では渡辺教授のチームの研究の背後にある理論を、私自身の研究を通じてご紹介したい。

 大学で経済学を少しでも学ばれた方は、「消費者は自分の満足度(効用)を最大化してxxx」とか「市場経済の結果、消費者の満足度が極限まで向上する」などという話を聞いたことがあるだろう。若干回りくどくなるが、これはより正確には「完全競争の均衡状態」では「ほかの人を不幸にする必要なく誰かを幸せにできるのにもかかわらず、そうしない」ような非効率は起こりえない、という意味である。

「満足度の最大化」が本当に伝えたいこと

 また巷にあふれる経済・政策談義にもこれに似た、というより不正確に理解した言説が多くみられる。

大学時代には、経済学に懐疑的な友人から「そんなことを言っても人はそんなに合理的でない。だから効用関数を持ってそれを最大化しているなんて考えられない」とか「人々の好みなどそんなに簡単に分かるものでないので、市場経済の結果が人々を満足させるようなものであるなどと簡単に言えるわけがない」などとよく言われていたものだ。

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