• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

ウリケ・シェーデ(うりけ・しぇーで)

米カリフォルニア大学サンディエゴ校教授

ウリケ・シェーデ

日本型経済・経営および経営戦略論の権威。主な研究領域は、日本を対象とした企業戦略、組織論、金融市場、政府との関係、企業再編、起業論など。20年以上に渡り、米ハーバード大学経営大学院、カリフォルニア大学バークレー校、一橋大学、日本銀行、財務省、経済産業省、政策投資銀行などで研究員を歴任。近著『Choose and Focus』においては、「失われた20年」に日本がどのように変化したかを取り上げ、大学の日本型経営の教科書としても使われている。日本在住経験8年以上。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

ドイツ人経営学者は見た!日本のかっこいい経営

性格が出るのは運転も経営も同じ?

2015年1月20日(火)

 新年、明けましておめでとうございます。今回のコラムは、運転マナーと経営者の性格という、一見無関係に見えるテーマでお話をしたいと思います。これを読んでいる皆さんはおそらく、自分が熟練したドライバーだと信じているのではないでしょうか。

 ほとんどの人はそう考えるものです。そして経営者の方も、自分はよい経営者である、と思っているのではないでしょうか。それでは、運転マナーの特徴を国際比較することから、経営者の性格がどう読み取れるのかについて、考えていきたいと思います。

 例えば、以前からお話しているドイツの経営の特徴も、ドイツ人の運転マナーに照らして考えると面白いことが分かります。制限速度がない道路では、ドイツ人は車を飛ばします。彼らにとって、速く運転することは、効率的だからです。

 また、意味があると感じる限りルールに細かく従うドイツ人だからこそ、速度無制限区間があるドイツの高速道路、アウトバーンが成り立ちます。

 例として、一番速度の遅い右側車線(日本では左側車線)で車を追い越すことは禁止されています。これはとても危険と考えられているからです。アウトバーンの右側車線で追い越すドイツ人を見ることはありません。

 そして経営面においてもドイツ企業は、ルールがない場合は猛スピード、ある場合は制限速度いっぱいで行動を起こします。また、ドイツ人の運転はとてもせっかちで、荒っぽいことが多いです。サービス業で働くドイツ人の特徴にも表れていますね。

教習所に通わない米国人

 米国人は、ドイツ人や日本人と違い、自動車教習所に通う必要がありません。多くの場合は、16歳の時に親や知り合いの大人などから運転を習います。交通ルールも少なく、最低限の知識を問うだけの試験に合格すれば16歳から運転できるため、交通ルールをほとんど把握していない米国人もいます。

 米国が常に、世界で最も交通事故死が多い国の1つなのはこのためでしょう。そしてこれは、米国の起業家精神を反映しているという見方もあります。というのは、よし悪しは別として、アイデアがある人なら誰でもビジネスに挑戦する機会があるからです。その結果、成功する人もいれば、失敗する人もいます。

 それでは、日本の運転マナーの4つの特徴、そしてそれがどう経営者の特徴に結びついているか、説明していきたいと思います。

(1) 安全第一

 まずは、私の大好きな日本語である、安全第一、についてお話しましょう。1983年に、私が初めて 日本に来た学生の頃、国のあちこちで「安全第一」の看板を見たことを、よく覚えています。後から調べてみたら、建設会社、とりわけ大成建設がこのスローガンをよく使っていることを知りました。

続きを読む

著者記事一覧

もっと見る

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧