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橘川 幸夫(きつかわ・ゆきお)

デジタルメディア研究所代表

橘川 幸夫

1972年、音楽雑誌「ロッキングオン」創刊。78年、全面投稿雑誌「ポンプ」を創刊。その後も、さまざまな参加型メディア開発を行う。83年、定性調査を定量的に処理する「気分調査法」を開発。80年代後半より草の根BBSを主催、ニフティの「FMEDIA」のシスオペを勤める。現在、阿佐ケ谷アニメストリート商店会会長、未来学会理事などを勤める。

◇主な著書
インターネットは儲からない!』(日経BP) 2001
希望の仕事術』(バジリコ) 2010
森を見る力』( 晶文社) 2014

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

橘川幸夫の オレに言わせれば!

「人生必需品」を提供する高架下のテーマ商店街

2014年5月2日(金)

アニメ制作会社サテライトがプロデュースしたカフェ「SHIROBACO」

 2014年3月29日に、JR阿佐ヶ谷駅から、高円寺方面に寄ったところにある高架下に阿佐ヶ谷アニメストリートがオープンした。これまで、この場所は倉庫や駐車場に使われていて、薄暗い場所だった。近所にある杉並学院(中学・高校)の通学路になっているが、治安の面でも不安のある場所だった。そこに、全長120メートル、16のアニメカルチャー関連の店が同時開業し、にぎわいのあるストリートに生まれ変わった。

 JR東日本都市開発(JRTK)の高架下用地開発プロジェクトの一環である。これまでにも、秋葉原・御徒町間の高架下に「2k540」という、職人の工房と店舗を一体にしたストリートを実現したり、高架下利用に保育園などを作ったり、ユニークな開発を進めてきた。

 JRは民営化以後、積極的に駅舎の改良を行い、これまで単なる通路であった場所を「エキナカ」という人気スポットにしたり、リゾートの開発やホテル事業を展開したりなど、保有する土地資産の活用を推進してきた。駅周辺の開発は続々と進んでいるが、高架下はこれからの大きなテーマであろう。3.11東日本大震災で、建物の安全意識が高まり、鉄道高架の補修工事の時期と重なったこともあり、今後、さまざまな高架下の活用が検討されるだろう。

 現在の多くの鉄道高架下の店舗は、戦後に駅周辺にできた闇市や屋台が、都市整備の高架化の過程で吸収されたもので、戦後高度成長の時は、通勤帰りのサラリーマンたちに憩いを与える場所として各地でにぎわいを見せていた。しかし、高度成長の時代はとっくに終了し「会社の帰りに同僚や後輩と屋台で一杯」という風習も薄らいできてからは、少しずつ寂れてきた。また駅周辺には、さまざまな商業施設があふれかえり、高架下の戦後闇市的な商店の役割も薄らぎ、店主の高齢化と跡継ぎ不在の状況が広がっている。鉄道高架下の再開発は、地域活性化の面からも一つのテーマとなりつつある。

 JR東日本は、三鷹・立川駅の間の駅舎、高架下の再開発事業や管理を行うために、JR中央ラインモールを2010年に創業し、開発を進めてきた。三鷹・立川を結ぶ世界最長のショッピング・モール(中央ラインモール構想)を作るという意気込みであったが、当初の予定より開発の速度が遅れているようだ。鉄道は住宅街を突き抜けていくので、その高架下に、生活用品や飲食店が無数にできたら、地元の商店街への影響は避けがたく、反対の声が少なくないからだろう。

地域と協力出来るアニメ商店街

 阿佐ヶ谷アニメストリートも、当初は地域の商店会や住民の人たちから、不安視されていた。昭和の香りが色濃く残る阿佐ヶ谷地域は、古い商店街がたくさんある。飲み屋街も、まるで時代が止まっているかのように懐かしい軒並みを残している。そうした地域に、JRが新しい商店街を作るというのだから、不安になるのも当然だと思う。しかし、「アニメの商店街ができる」ことが理解されてから、歓迎の雰囲気になった。

 私は、なりゆきで、この新しい阿佐ヶ谷アニメストリートの商店会長になってしまったので、近隣の商店会や町会の会合にも参加させていただき、説明をしたのだが、おおむね、好意的に受け止めていただいた。高架下に、食料品店や普通の飲食店ができたら、地域の商店街と客を奪い合うことになるが「アニメ」という、普通の商店街にはないテーマなので、バッティングすることもない。

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