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吉柳 さおり(きりゅう・さおり)

プラチナム代表取締役

吉柳 さおり

神奈川県出身。1998年慶應大学法学部卒。大学在学中に独立系PR会社のベクトルにアルバイトとして入社。正社員同様の生活を送り、大学卒業後に同社へ入社。2002年に26歳でベクトル取締役、04年にベクトルコミュニケーション(現プラチナム)代表に就任した。2011年4月より慶應義塾大学非常勤講師。ベクトルは2012年3月に東証マザーズに上場している。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

新オープン・ブランディング論

高級ホテルなのに受付がない理由

2014年12月19日(金)

 体験型消費が進むラグジュアリー市場。ホテルやリゾートではかつての画一的なラグジュアリーの定義は消え、価値基準はよりパーソナルなものになってきている。

 その証拠に、雑誌のライフスタイル誌は最新のホテルよりも、カスタマイズ可能なパーソナルな旅の特集を多く組むようになった。丹波の山奥の集落丸山や、佐渡島の期間限定のレストランなど、「近くて便利」とは真逆のスポットが賑いを見せ、あえて時間と手間をかけることに価値を見出す人が増えている。他の人が体験し得ないような、唯一無二の体験――。そんな場所の発掘が、昨今のラグジュアリーホテル業界に起きている地殻変動と言っていい。

 この変化を捉え、東京でも体験重視の空間を提供しようと言うのが、今年6月に虎ノ門ヒルズに開業したアンダーズ東京である。彼らは消費者の変化をどのように捉え、そしてどのような価値を提供しようとしているのだろうか。総支配人、アルノード・サン=テグジュペリ氏に話を聞いた。

個人的に、「自分自身が望む理想のライフスタイルを楽しむのが本当のラグジュアリー」と考える消費者が増えているのではないかと思っています。そのような変化を感じることはありますか?

サンデグジュペリ:私は基本的に、「ラグジュアリー」という言葉を普段使いません。ラグジュアリーは高価であったり、等級を感じたり、決めつけるニュアンスが感じ取られるからです。アンダーズ東京はこうしたラグジュアリーの定義とは全く逆のことに価値を見出したサービスを提供したいと考えています。

…なるほど。のっけから失礼しました。このオープンな時代の中、おっしゃられたその価値について具体的におしえてください。

サンデグジュペリ:1つの価値観にお客様を縛り付けるようなことをしたくないんですよ。地域とつながり、お客様の個性に合わせたサービスを提供することに、価値を見出したいんです。

 確かに、消費者とブランドの接点は、かつてとは違い、1つに限られるような時代ではなくなりました。昔は、ほかの人がやっていることをマネすることが多く、わりとどこでも同じようなエクスクルーシブな商品やサービスが施されていました。

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