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平井 伯昌(ひらい・のりまさ)

競泳日本代表ヘッドコーチ/東洋大学法学部准教授・水泳部監督

平井 伯昌

1963年生まれ。早稲田大学卒業後、東京スイミングセンターに入社し、アテネ、北京五輪で北島康介選手に2大会連続の2つの金メダル、中村礼子選手に2大会連続の銅メダルをもたらす。2008年、競泳日本代表ヘッドコーチに就任。ロンドン五輪で寺川綾、加藤ゆか、上田春佳選手に銅メダルを獲得させる。リオデジャネイロ五輪に向け、萩野公介や山口観弘、内田美希選手らを中心にした“新チーム平井”が始動。五輪のセンターポールに日の丸を掲げることを目標に活動する。2013年4月、東洋大学法学部准教授、水泳部の監督に就任。

◇主な著書
突破論~世界で勝ち続ける秘訣、60の“金言”』(日経BP) 2012

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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 競泳日本代表ヘッドコーチ、東洋大学法学部准教授、水泳部監督、三足の草鞋を履きながら、東奔西走しています。

「世界で勝てる人」を育てる~平井伯昌の流儀

メダリスト大橋悠依の回り道と、我が修業時代と

2017年10月3日(火)

世界水泳ブダペスト大会 女子200m個人メドレー表彰式で銀メダルを掲げる大橋悠依(写真:アフロ)

 7月のブダペスト世界水泳、8月の台北ユニバーシアード、9月のえひめ国体、そして大阪での日本学生選手権。2020年の東京五輪へと続く2017年の大事なシーズンが終わりました。越えるべき大きな山であった世界水泳では、萩野公介が200m個人メドレーで銀メタルを獲得、そして初出場の東洋大学4年生の大橋悠依が200m個人メドレーで銀メダルを獲得し、大きな花を咲かせてくれました。

 大橋は素質と可能性を感じさせる存在で、ジュニア時代の実績もありましたが、大学に入ってからはケガで思い通りの練習ができず、タイムが伸び悩んだ時期がありました。同世代の、あるいは下の世代の選手たちが活躍する中で、焦りや悔しさもあったことでしょう。しかしそうした思いをバネに変えながら地道に練習を重ね、自分としっかり向き合っての努力が実を結び、世界水泳後のユニバーシアードでは200m、400m個人メドレーで金メダルを獲得。世界のトップ選手の一員となった実力をしっかり示してくれました。日本学生選手権では個人種目での活躍はもちろん、第一泳者として東洋大学の800mリレー4連覇に貢献し、共に練習に励んできた仲間たちとの忘れられない思い出になったと思います。今シーズンは、大橋にとって大きな転機となりましたが、結果に結びつくまでに時間がかかった、いわゆる“遅咲き”の彼女を見ながら、選手の育成のあり方について改めて考えさせられました。

東京五輪は全員の目標か

 2020年の東京五輪に向け、日本のスポーツ界における選手の育成・強化は様々な競技で目覚ましい成果を上げています。今年の柔道の世界選手権では、男女合わせて13のメダルを獲得し、新体操の世界選手権では過去最多の4つのメダルを獲得。4つのメダルを獲得した世界卓球では、13歳の張本智和選手の実力に誰もが驚き、女子も高校2年生の平野美宇選手をはじめとした若手の活躍が目立ちます。陸上競技短距離では8月の世界選手権4×100mリレーで銀メダルを獲得し、リレーメンバーの1人で、大橋と同じ東洋大学4年生の桐生祥秀選手が、日本人初の100m9秒台に突入しました。

 東京五輪の開催は、国民の大きな期待を肌で感じながら、多くの選手が、そして指導者が高いモチベーションで強化に取り組むことで、競技力の底上げにもつながる素晴らしい機会です。

 ただ一つ、懸念するのは、“あらゆる選手のピーク”を2020年に合わせようとすることについてです。

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