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福光 恵(ふくみつ・めぐみ)

ライター

福光 恵

美術業界を経て、1990年代からフリーライター。グルメ、犯罪、パソコン、芸能、ファッション、経済など、さまざまな専門ライターを目指すが、いまだノンジャンルライターとして活動。日本経済新聞土曜朝刊プラスワン「コトバ百貨店」、日経BPネット「トレンド・リテラシー講座」などの連載がある。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

トレンド・リテラシー講座

吉本創業を描く朝ドラ、「わろてんか」に物申す

2018年1月15日(月)

 「2人とかけて、夫婦茶碗ととく。そのこころは、どちらも欠けてはなりません」

 こちら、どっかの結婚式で思い切りスベった、親戚のおじさんの祝辞ではない。そしてこのベタなネタを聞いて、キャハキャハと大笑いしている妻も、決して林家パー子ではない。

 これはNHKの朝ドラ「わろてんか」で、主人公のてん(葵わかな)の夫、藤吉(松坂桃李)が、てんを笑わせようと放ったネタ。このように、「わろてんか」(笑ってください)と言われても、視聴者が思わず「笑えません」と返したくなるような、スベりまくるシーンが目立つ。

寄席のチェーン展開や漫才の普及拡大など、お笑い界で数々のエポックを成し遂げてきた吉本興業。NHKの朝ドラ「わろてんか」では、その創業の歴史を伝えているのだが…。(写真=アフロ)

 まだ見ていない人のために、まずはどんなドラマなのかの紹介から。主人公のてんは「吉本興業」の創業者、吉本せいさんがモチーフとされている。夫婦で小さな寄席を作ったところから出発し、後年、笑いの王国を築くことになった、別名「女今太閤」と呼ばれる人物だ。その立身出世伝は、山崎豊子の小説「花のれん」などを基に、何度も映画やドラマにもなっている。

 「花のれん」や、吉本せいさんについてのいくつかの評伝を読むと、まあ、吉本のお笑い界への功績たるや、そりゃもう並みじゃない。東京もんのせいか、大手芸能プロの一つだろうくらいに思っていたけど、実は全然違った。

 寄席をチェーン展開したのも吉本だし、芸人を月給制にして、人気芸人を多数抱えたのも吉本。そんな革新的なビジネス手法だけではない。古典的芸能の「萬歳」から発展した新しいスタイルのお笑いを、「漫才」と名付けて広めるなど、演芸の歴史にも大きく関わってきた。とにかく吉本がお笑い界で画したエポックは、数え切れないのだ。

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デーブ・スペクター 放送プロデューサー、コメンテーター