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福光 恵(ふくみつ・めぐみ)

ライター

福光 恵

美術業界を経て、1990年代からフリーライター。グルメ、犯罪、パソコン、芸能、ファッション、経済など、さまざまな専門ライターを目指すが、いまだノンジャンルライターとして活動。日本経済新聞土曜朝刊プラスワン「コトバ百貨店」、日経BPネット「トレンド・リテラシー講座」などの連載がある。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

トレンド・リテラシー講座

喫煙者の親に電子タバコ、長続きのコツは?

2017年3月27日(月)

 「うちのおばあちゃんはタバコ吸う。うちのおばあちゃんはタバコ吸う…」

 まだ20世紀だった頃、シアトルのダウンタウンでのこと。喫煙が許されていたカフェの外の席でタバコを吸っていると、家族とバスを待っていた5歳くらいの女の子が寄ってきて、英語でそう呪文のように唱え始めた。

 「ごめん、タバコはよくないね?」
あわててタバコを消したのだが、彼女はまだ言う。
「うちのおばあちゃんはタバコ吸う。うちのおばあちゃんはタバコ吸う…」
呪文はやがて即興のメロディまで付いて、いい調子に。
「♪うちのおばあちゃんはタバコ吸う…」

 なんだ?この子。日本なら、座敷わらしを真っ先に疑うが、ここはアメリカだし。
「おばあちゃんっていくつ?」
「おばあちゃんはどこに住んでいるの?」
なんとかして話をそらそうと質問攻めにしてみるが、
「うーん、分かんない。♪うちのおばあちゃんはタバコ吸う、うちのおばあちゃんはタバコ吸う…」。

アメリカでは20世紀末、スモーカーは少数派に

 そうして彼女は5分ほど「うちのおばあちゃんはタバコ吸うソング」を歌い上げたのち、やっと来たバスに手を振って乗り込んでいった。アメリカではすでにタバコを吸う人が珍しくなっていた時代。最初はタバコを吸っているだけで、彼女のおばあちゃんと同じ、秘密結社のメンバーか何かと思ったのだろう。

 それがいつのまにか言葉遊びになって、どうにも止まらない状態に。ピコ太郎の「アッポーペン」みたいなもので、口に出して繰り返しているうちに面白くなって、意味もなく繰り返すっていう、子どものころよくやったアレだと思う。

 ちなみに子どもの声っていうのは、聞かされるほうも妙に頭にこびりつく。子役の寺田心くんのCMのセリフ「ひどいトイレだ…」とか、フジテレビの情報番組「とくダネ!」のオープニングで、子どもの声が合唱する「とくダネです!」とか、あとそうそう、森友学園が運営する幼稚園の運動会での選手宣誓「安倍総理がんばれ」なんかも。

 しかもリピートされれば、なおさらだ。子どもの間で、あの選手宣誓をまねする「森友学園ごっこ」がはやっているというニュースがあったけど、子どもじゃない自分だって、あれだけ繰り返しテレビで聞かされた結果、うっかり「安保法制国会通過よかったです」とか、一人つぶやいていることがあるもの。

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