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越野 孝史(こしの・たかふみ)

“こと”づくりアドバイザー

越野 孝史

1958年福井県生まれ。83年立教大学経済学部卒業、同年大日本印刷入社。85年ドゥ・ハウス入社、同社取締役などを経て現在大阪を本拠とするマーケティング会社に所属。「行動観察」を始めとしたマーケティング事業を推進するとともに、マーケティング経験を活かした「人づくり」理論構築を進めている。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

新人君がやってきた!

今から仕事選ぶかぁ?

2014年10月15日(水)

 春に新人として営業部門に配属されたA君。入社から半年近くが過ぎ、部内で行うべき業務も一通りは分かってきた様子です。

 そんなある日、秋に開催される展示会の案内状を発送する作業が発生しました。数千部送る案内状のほとんどは、専門のメーリング会社に外注していました。ただし、最近名刺を交換して接点ができたお客様など、50人程度に追加で発送する必要があり、この程度なら部内でやろうということになったのです。

 A君の上司であるBさんは、この作業をA君に頼もうと思いました。通常ならこのような作業はアルバイトの方に頼むのですが、A君にとっては初めての展示会。どんなことをやっているのか、どんな会社に案内状を送っているのかなどを知ってもらうにはいい機会だと考えました。

 BさんはA君を呼んで、「案内状をお客さんに送ってほしいんだ。案内状に加えて、中には挨拶文と展示会のパンフレットも入れてね。これらを封筒に封入して、切手と宛名ラベルを張って、まとめておいて」と、指示しました。「はあ…分かりました」と、A君の反応は何となくいつもと違う様子でしたが、「とにかくよろしく」と、依頼しました。

 それからA君は、席から少し離れた作業台で封入作業をしている様子でした。しばらくしてふと気が付くと、席に座ってパソコンに向かっています。

 「封入作業終わったの?」

 「はい。もう終わってます」

 「終わったら終わったって報告してよ。発送に回すんだから」

 「はあ、終わったら報告するようには言われてなかったので…」

 「言われてないって、普通言うだろ?」

 「はぁ…」

 浮かない顔をするA君。

 「A君、何か言いたいことがあるの?」と尋ねると、「なんで僕が封入作業なんかするのかと思って。アルバイトの方にやってもらえばいいのに」。やれやれ、そういうことか。正直現時点では、A君よりベテランのアルバイトさんのほうが価値ある仕事ができるんですけど、なんて意地悪な気分にもなってしまいます。

 封入作業が終わった封筒を見てみると、切手や宛名ラベルの張り方が曲がっていたり、のりがはみ出ていたりと、気持ちの入っていない雑な仕事なのが見え見えです。「これじゃあきっと、封入物の中身なんて見てないよな。封入した書類の順番、大丈夫かな…」と、自分の意図が伝わっていないことにがっかりするBさん。

 それでも気を取り直して、「今度の展示会、どう思う?」と聞いてみました。するとA君、

 「え、展示会ってなんですか?」

 「いや、いま封入してた案内状の展示会のこと」

 「ああ、見てません。見たほうが良かったなら見ろって言ってください」
   「……」

 Bさん、切れそうな自分を抑えるのに精一杯です、「そういえばあいつ、普段から気が利かないよな。お客さんへのお茶出しだっていつも俺がやってるし」なんて、余計なことまで思い出してイライラしてしまいます。

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