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岡本 ゆかり(おかもと・ゆかり)

ライター

岡本 ゆかり

筑波大学卒業後、日経BP社に入社。パソコン専門誌「日経クリック」「日経PC21」等の編集部を経て、現在はフリーランス。趣味はF1とWRC(世界ラリー選手権)の観戦。2010年ラリー・フィンランドで初WRC観戦。以来、年に数回、現地に赴く。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

縁の下の英雄たち~コドライバーだよ、人生は

トヨタが突き崩したWRCの「一社独占」

2017年2月25日(土)

 2月12日、日曜日、スウェーデンの空に日の丸が上がり、フィンランド国歌に続いて君が代が流れました。

 世界ラリー選手権(WRC)に18年ぶりに復帰したトヨタが、復帰2戦目となるラリー・スウェーデンでトヨタのヤリ=マッティ・ラトバラ選手が優勝、という快挙を成し遂げたのです。私が何年も必死に追いかけてきた(※)、自動車レースの世界最高峰の選手権で、君が代が流れるなんて。ライブ中継を見ながら、とても感動しました。

(※お仕事でもないのに、厳寒期の欧州や、猛暑の地中海、オーストラリアなどなどまで行ってます…そのドタバタはよろしければ連載の「“ドM”にはたまらないWRC観戦!?」などをどうぞ)

ラリー・スウェーデンで優勝したヤリ=マッティ・ラトバラ(右)/ミーカ・アンティラ組(写真:TOYOTA GAZOO Racing)

 しかしながら、これだけの快挙にもかかわらず日本のメディアの反応は鈍く、一般紙でもテレビでもほとんど報じられておりません。WRCを知らない方にゼロベースで説明する企画も、最後にご紹介するテレビ番組を除き、一般メディアでは見かけません。

 コメント欄で温かく見守ってくださる、WRCファンの方にはもうお分かりのことばかりと思いますが、日経ビジネスオンラインに場所をいただいていることを幸いに、不肖、岡本が、今回の優勝の背景をご説明させていただこうという所存です。以下、文中敬称略で失礼します。なお、WRCのより詳しい競技ルールにつきましては、「週末スペシャル!ラリーに入門企画」をご覧頂ければ幸いです。

 さて、トヨタが復帰1戦目のモンテカルロラリーでいきなり2位表彰台という素晴らしい結果に驚いたことは、前回(こちら)で詳しく書かせていただきました。その中で「スウェーデンは、北欧系のドライバーは得意としているので、けっこう行けるかもしれない」と書いてはいましたが、まさか優勝とは。謝ります。ごめんなさい。

 こんなにも早くトヨタがWRCで成功するとは思っていませんでした。むしろ、ライバルチームよりも成果を上げるのには時間がかかりそう、と思っていました。もっとも、そう予想していたのは私だけではなく、多くのWRC関係者が同じように考えていたのです。

つれなかった勝利の女神が、急にほほえんだのは?

 トヨタといえば、かつてはWRCで栄光を手にした時代もありましたが、サーキットレースに転向した2000年代以降は、F1に参戦するも1度も優勝できずに撤退。世界耐久選手権(WEC)の華、ル・マン24時間では、昨年、レースを完全に支配して悲願の初優勝をほぼ手中にしていたのに、ゴールわずか3分前にマシンがストップするという悲劇。

 トヨタはモータースポーツの女神から見放されているのか・・・と、思っていたら、いきなり、WRCで優勝を手にしてしまうという。ラリー・スウェーデンのTV中継には、トロフィーを手にして感無量な様子の嵯峨宏英チーム副代表が映っていました。8カ月前、ル・マン24時間のTV中継に映し出された嵯峨氏のまさに「茫然自失」といった表情とは大違いで、思わず涙がこぼれそうになりました。

優勝トロフィーを手にする嵯峨宏英チーム副代表(写真:TOYOTA GAZOO Racing)

 トヨタにとっては、1999年ラリー・チャイナでのディディエ・オリオールによる勝利以来、18年ぶりのこと。日本の自動車メーカーとしては、2005年ラリーGBでのスバルのペタ-・ソルベルグ以来12年ぶりでした。

 こんなにあっさり勝ててしまうのは、WRCが簡単だから…というわけでは、けしてありません。WRCだって、F1、WECと並ぶ自動車競技の世界最高峰カテゴリー。そこで勝つのは容易なことではないのです。

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