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小笠原 啓(おがさわら・さとし)

日経ビジネス記者

小笠原 啓

1998年に早稲田大学政治経済学部を卒業し、日経BP社入社。月刊誌「日経ネットナビ」編集部でネット業界を担当する。2004年に「日経ビジネス」編集部に異動し、遊軍や製造業、電機業界などを6年間取材。2011年から「日経コンピュータ」の記者となり、ITやシステムの奥深さに触れる。2014年9月から日経ビジネス記者として、製造業を中心に取材を進める。
2015年から東芝の不正会計問題を取材。一連の調査報道が評価され、日経ビジネス取材班として2016年の「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞 企画賞」を受賞。

◇主な著書
東芝、粉飾の原点』(日経BP社) 2016年

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

キーパーソンに聞く

日本企業よ、JAXAと一緒に「月」へ行こう!

2018年3月5日(月)

 人類が月面に到達して約半世紀が経過し、再度挑戦する機運が世界中で高まっている。2017年12月にトランプ米大統領が米航空宇宙局(NASA)に月への有人探査を指示する文書に署名。日本政府もそれに呼応して宇宙基本計画の工程表を改訂し、米国の計画に参加する方針を決めた。一つの狙いは月面に基地を構築し、火星探査への足がかりにすることだ。宇宙航空研究開発機構(JAXA)で技術開発に携わる宇宙探査イノベーションハブの川崎一義・副ハブ長に話を聞いた。

(聞き手は小笠原 啓)

川崎 一義(かわさき・かずよし)氏
宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙探査イノベーションハブ 副ハブ長
九州大学工学研究科応用力学専攻を修了し、1987年に宇宙航空研究開発機構(JAXA、旧NASDA)に入社。有人宇宙探査、月惑星探査プロジェクトなどを経て、2015年4月より現職。
(写真:陶山 勉、以下同)

2017年から急に月面探査の機運が高まっています。残念ながら頓挫しましたが、民間企業による月面探査コンテストも話題を呼びました。なぜ多くの国や機関が再び月を目指し始めたのでしょうか。

川崎:もともとは、世界各国が参加する国際宇宙ステーション(ISS)の「次」をどうするかというのが発端でした。(注:2024年が運用期限になっている)。一時は(リーマンショックなどの)経済の問題があって下火になりましたが、この2~3年、米国政府内で月を目指す構想が強く推進されています。

 我々のような宇宙関係者からすれば、低軌道衛星をやった後に月を目指し、さらに火星へと足を伸ばすというのは自然な流れです。(月を目指すという)トランプ米大統領の発言は、極めて大きな意味を持っています。

日本政府もトランプ政権に呼応し、月を目指す方針を鮮明にしました。米国は50年近く前に宇宙飛行士を月面に送り込みましたが、日本にとっては大きなチャレンジです。

川崎:宇宙開発ではこれまで、「スピンオフ」という言い方がよくされていました。コンピューターなどの技術は宇宙開発の過程で磨かれ、社会に貢献してきました。一方で、ロケットを打ち上げて衛星を整備してとなると、10年や20年はあっという間に過ぎてしまいます。これでは企業が宇宙産業になかなか参加してくれません。日本の企業や大学には、宇宙で使える最先端の技術が多く存在しますが、それを生かし切れていないのが実情です。

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