• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

小笠原 啓(おがさわら・さとし)

日経ビジネス記者

小笠原 啓

1998年に早稲田大学政治経済学部を卒業し、日経BP社入社。月刊誌「日経ネットナビ」編集部でネット業界を担当する。2004年に「日経ビジネス」編集部に異動し、遊軍や製造業、電機業界などを6年間取材。2011年から「日経コンピュータ」の記者となり、ITやシステムの奥深さに触れる。2014年9月から日経ビジネス記者として、製造業を中心に取材を進める。
2015年から東芝の不正会計問題を取材。一連の調査報道が評価され、日経ビジネス取材班として2016年の「編集者が選ぶ雑誌ジャーナリズム賞 企画賞」を受賞。

◇主な著書
東芝、粉飾の原点』(日経BP社) 2016年

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

失敗の法則

東芝・シャープが勝ち目のない案件に挑んだ理由

2017年11月13日(月)

 液晶工場に巨額の資金を投じたシャープと米ウエスチングハウスを買収して原子力ビジネスに賭けた東芝には、1つの共通点がある。経験を積んでよく知っている事業なら「失敗しない」と判断し、巨額の資金を投じたことだ。なぜリスクを軽視して巨額投資に走ったのか。日本企業の経営戦略に詳しい神戸大学の三品和広教授に話を聞いた。(聞き手は小笠原 啓)
神戸大学の三品和広教授(写真:陶山 勉、以下同)

巨大プロジェクトに挑み、失敗する日本企業が後を絶ちません。東芝は米国の原発建設を管理しきれず債務超過に転落し、三菱重工業は国産旅客機「MRJ」の納入延期を繰り返しています。何が原因なのでしょうか。

三品和広教授(以下、三品):日本企業が大きな特別損失を計上したケースを分析すると、勝ち目がない案件に自ら突っ込んでいる例が目立ちます。

 プロジェクトを続ける間にマネジメントを失敗し、結果が当初想定から大きく狂うというケースは、皆無ではありません。ただし、日本企業ではマジョリティー(多数派)ではないでしょう。根本的な原因は、出発段階の経営判断の甘さにあります。

 ではなぜ、甘い経営判断がまかり通るのか。私は日本企業の「リスク」の捉え方が間違っているのだと分析しています。

日本企業の経営者は、「石橋を叩いて渡らない」イメージがありますが。

三品:ところが全然違うのです。プロジェクトに関するリスクを、2つの側面から考えてみましょう。

 1つ目は「損失の期待値」。思い通りに進まなかった場合、どれぐらいの「持ち出し」が発生する可能性があるかという考え方です。「失敗する確率」と「投下金額」のかけ算で、損失の期待値は計算できます。

 米国企業は、投下金額を小さくすることで期待値をコントロールしようとします。ベンチャー投資が1つの象徴ですね。失敗する確率は高くても、少額なら経営を揺るがすような損失にはなりませんから。その中で成功が出てきたら、徐々に金額を増やしていきます。

 一方で日本企業は、まずは失敗確率を低くしようと考えます。この傾向が強いので「リスクテークが足りない」と批判されるのでしょう。半面、失敗確率が低いと判断したら、一気に巨額の資金を投じて勝負に出る。私から見たら、ものすごいリスクを取っているわけです。単純に経営が「乱暴」と言っていいと思います。

続きを読む

著者記事一覧

もっと見る

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

すきま時間を活用できることに気づいた消費者は、時間価値をかつてないほど意識している。

松岡 真宏 フロンティア・マネジメント代表