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古宮 聡(こみや・さとし)

ボストン コンサルティング グループ (BCG) 東京オフィス シニア・パートナー&マネージング・ディレクター

古宮 聡

明治大学政治経済学部卒業。IMD(International Institute for Management Development)経営学修士(MBA)。日本フィリップス株式会社、レーザーテック株式会社ロンドン支店を経て現在に至る。 BCG産業財グループ、自動車グループのアジアパシフィック地区リーダー。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

徹底予測2015 BCGが注目する4つの産業トレンド

バラ色の自動車時代、到来への条件

2014年12月4日(木)

 新興国の失速で世界経済の牽引役が見当たらない中、円安・株高を導き、国内の景気を押し上げてきたアベノミクスにも変調の兆しが見え始めた。国内外で先行きの不透明感が増す中、来る2015年をどう見通せばいいのか。そのために押さえておくべき4つの産業動向を、ボストン コンサルティング グループ(BCG)のパートナーが解説する。今回は、自動車産業の将来を俯瞰する。

 自動車産業は、自動車を運転する「楽しみ」、「利便性」などのメリットと所有コストや社会コストなど 「負のコスト」のバランスを保ちながら成長してきた。しかし、そのバランスは既に崩れ、現状の延長線上に見える未来に明るさは見えない。「バラ色の未来」はどこにあるのか。

自動車の稼働率は3%

 通勤途中に電車の窓から外を見ると、多くの乗用車が駐車場にとまっている。週末は動いたかもしれないが、果たして平日はどうだろうか。

 ボストン コンサルティング グループ(BCG)の試算では、東京における自動車の稼働率は、実に3%程度となっている。意外な数字と思われるかもしれないが、一般家庭の乗用車を例に想像してみれば、それほど違和感はないはずだ。

 まず24時間のうち、夜間10時間の稼働は極めて低い、さらに平日の稼働も近所の買い物と子供の送り迎えが中心。休日に遠出をしても、せいぜい月に2~3回だろう。この稼働時間を可能稼働時間で割ったものが、自動車の稼働率という考え方だ。

 稼働が下がると何が起こるのか? 単純に言うと、所有コストとのバランスが見合わなくなる。自動車自体の価格も決して安くない上に、駐車場、自動車保険、ガソリン…と費用を足していくと、年間に50万円を超えることとなる 。

 若者の自動車離れは顕著だが、経済性のアンバランスは若年層だけでなく、すべての世代での自動車離れの大きな要因になっている。

自動車の社会コストは膨大

 一方、社会全体に目を向けるとどうか。日本を網の目のように覆い尽くす国道や高速道路を思い浮かべてほしい。自動車社会を維持するコストは膨大である。

 直近の数値では、道路建設などへの投資に約5.5兆円。ガソリンの販売額は、ざっくり試算すると8兆円を超える(2011年)。メンテナンスなど自動車整備市場の規模は、約5.4兆円。自動車関連保険の正味収入保険料は、約4.5兆円。

 このほかにも、事故発生時の救急対応費用、排ガス規制コストもかかってくる。税という観点から見ると、自動車関連税収は総税収の9.7%に達しており、その構成比は固定資産税に続いて5番目である。

 この数字を見れば、「稼働率3%の自動車にこんなに金をかけてよいのだろうか?」という疑問がわくのは当然だろう。もっと稼働は上がらないのか? 自動車にまつわる社会コストは下げられないのか?

 バラ色の自動車時代を実現するには、これらの問いに答えを出す必要がある。こうした課題に関連するトレンドを取り上げて考えてみたい。

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