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三田村 蕗子(みたむら ふきこ)

フリーライター

三田村 蕗子

福岡生まれ。津田塾大学学芸学部卒業。流通を皮切りにビジネスの幅広いテーマを手掛け、現在、ビジネス誌や経済誌、流通専門誌で活動中。2014年11月下旬から経済成長著しいバンコクに拠点を移し、東南アジアのハブだからこそできる取材活動にも力を入れている。移住の経緯やバンコク情報は、ホームページで発信中。

◇主な著書
ブランドビジネス』(平凡社新書) 2004
夢と欲望のコスメ戦争』(新潮新書) 2005

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

バンコク繁盛記

「ぱちっと閉まるキャップ」に値打ちはあるか?

2017年4月26日(水)

タイ人女性は発色の良いメイクアップ化粧品を好む。ナチュラルメイクを好む日本人とは対称的だ。

 ローション、洗顔料、美容液。

 バンコクの町中で日本の化粧品を目にする機会が増えてきた。手に取ると、パクリでもなんでもなく、正真正銘のメイドインジャパン製品だ。

 食の分野で起きている日本ブームが、化粧品の世界でも起きているのだろうか。日本のコスメがタイを席巻しつつあるのかもしれない。

 そんな私のポジティブな想像を打ち砕くのは、ミロットラボラトリーズのマネージャー、石橋和明氏だ。

ミロットラボラトリーズのマネージャー、石橋和明氏

 「正直、日本の化粧品は売れていませんね。タイ人の肌に合わないモノを売っているからです。商品を見かけることが多くなった? それは、単に扱う店が増えてきたから。いまはツルハドラッグやマツモトキヨシが進出して、店舗数を増やしていますからね。でも、タイ人に人気かというと、違います」

 相手先のブランドで化粧品を生産するOEM(original equipment manufacturing)という事業の性質上、一般の知名度は高くないが、ミロットは神奈川県横浜市に本社を置く、75年の歴史を持つ化粧品業界の老舗だ。タイには1989年に進出し、現地タイ人パートナーと合弁でミロットラボラトリーズを設立した。

アジアの化粧品OEMナンバーワン

 生産しているのは、化粧水から口紅まで化粧品全般、さらにはヘアケア製品、香水やベビーパウダー、制汗剤までと幅広い。相手先のコンセプトに沿って化粧品の処方や容器の形状・デザインを検討した後、試作品を経て容器に中身を充填し、相手先ブランドで製品を仕上げる。この一連のプロセスを手がけるOEMとして、同社はタイで1日100万個の生産量を誇る。

 従業員が2500人いる中で日本人は石橋氏ただ一人。マーケティングも商品開発も経営もタイ人が陣頭指揮を執り、徹底的に現地化を追求してきた。業績は好調だ。右肩上がりで数字を伸ばし、昨年の売上は約200億円。自社ブランドを持たないOEMとしては東南アジアでナンバーワンの座に輝く。

化粧品からトイレタリー、健康食品まで受託製品は幅広い。生産数量は年間3億個以上。売上200億円は東南アジアの化粧品OEMではナンバーワンだ

 近年は、OEMにとどまらず、研究開発からデザインまで化粧品のすべてを設計し、相手先に提案していくODM(Original Design Manufacturing)としての実績も重ねている。タイに進出した日系企業の中では圧倒的な成功例であり、タイの化粧品業界も知り尽くしている。それだけに石橋氏の言葉は重く響く。

 「日本の化粧品は、スキンケア用もメイクアップも、どちらもタイ人に合うかどうかを考えていない。これでは売れるはずがありません。私がタイに赴任して11年経ちますが、進出しては撤退を繰り返しているのが実態です」

 その一方で、タイの化粧品市場は拡大を続けている。生活水準が上がる一方で、化粧品の使用年齢が下がり、早くから化粧品を使い始める女性が増えているからだ。

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