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三田村 蕗子(みたむら ふきこ)

フリーライター

三田村 蕗子

福岡生まれ。津田塾大学学芸学部卒業。流通を皮切りにビジネスの幅広いテーマを手掛け、現在、ビジネス誌や経済誌、流通専門誌で活動中。2014年11月下旬から経済成長著しいバンコクに拠点を移し、東南アジアのハブだからこそできる取材活動にも力を入れている。移住の経緯やバンコク情報は、ホームページで発信中。

◇主な著書
ブランドビジネス』(平凡社新書) 2004
夢と欲望のコスメ戦争』(新潮新書) 2005

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

バンコク繁盛記

背中を拭くだけ。従業員の薬物使用が即・判明!

2018年2月16日(金)

日本の大手メーカーが開発した高性能の機械を搭載した車で、工場やオフィスに出向く。1000人を検査しても所要時間は約3時間。

 タイに進出している日系企業の数は5000社超。現地法人を率い、多くのタイ人従業員の採用・教育を行っている日本人経営者はさまざまな問題に頭を抱えている。人材教育の難しさ、定着率の低さ、労働争議。

 そして、もうひとつ深刻な問題がある。
 不正薬物を使用する従業員の存在だ。

 微笑みの国として外国人観光客に愛されるこの国は、実は不正薬物大国でもある。

 2016年に押収された不正薬物は5年前の3倍にあたる約86トン。ちなみに、2016年の日本の不正薬物押収量は約1.6トン。不正薬物使用者の数は約50万人とも推定されている。タイの人口は日本の約半分だ。薬物汚染の度合いがよくわかる。

 ラオスやミャンマーとの国境地帯で栽培され、タイに流れてくるアヘンや大麻に加え、急速に利用者が増えているのが町で気軽に手に入る「ヤーバー」と呼ばれるアンフェタミン系覚醒剤だ。

 タイ語で「バカの薬」を意味するヤーバーの価格は1錠で100~200バーツ(約330円~660円)。薬に手を出してバカになるのか、バカだから薬に手を出すのか。いずれにしてもいったんヤーバーなどの不正薬物にはまってしまうと、その後はほぼ例外なく転落の道が待っている。

10秒後に結果が出る検査装置で現場を回る

 常習するとより強い刺激がほしくなるため、不正薬物への出費はどんどん増える。給料を使い込み、借金を重ね、返せなくなると次に手を出すのは犯罪だ。脅迫、強盗、万引き。社外での犯罪に加えて、工場勤務の従業員の場合、社内に在庫してあるレアメタルや銅線など金目のモノを盗んで売りさばくことも少なくない。

 これで仕事を真面目にできるはずがない。不正薬物に染まった従業員も不幸なら、会社も不幸。そんな不健全きわまりない状況にメスを入れようと画期的なサービスを展開しているのが、日本駐車場開発(NPD)のタイ子会社が設立したNPDヘルスケアサービスだ。

 NPDの取締役副社長・川村憲司氏は言う。

 「日本では、従業員の健康状態の把握、分析、改善プランの提案を通じて、不健康な人を健康な状態に改善していこうと、子会社の『日本からだ開発株式会社』を立ち上げました。NPDヘルスケアサービスはそのタイ版。タイにおける『不健康』を考えたとき、不正薬物の問題は大きい。その利用者を減らし、企業、さらには社会に貢献することが目的の1つです」

 NPDヘルスケアサービスが実施している「不正薬物検査サービス」とは、ユーザーと使用薬物の種類を短時間で洗い出すことができるサービスだ。日本の大手メーカーが開発した検査装置を車に搭載し、工場など従業員が多数働いている現場に出向いて検査を実施すると、結果は10秒後にモニターに映し出される。

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