• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

吉川 由紀枝(よしかわ・ゆきえ)

ライシャワーセンター アジャンクト・フェロー

吉川 由紀枝

慶応義塾大学商学部卒業。アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)東京事務所にて通信・放送業界の顧客管理、請求管理等に関するコンサルティングに従事。2005年米国コロンビア大学国際関係・公共政策大学院にて修士号取得後、ジョンス・ホプキンス大学高等国際研究大学院附属ライシャワーセンター上級研究員をへてアジャンクト・フェロー。また、2012年-2014年は沖縄県知事公室地域安全政策課にて主任研究員。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

最近のトピックス

ウォールストリートジャーナル紙にOp-ed(識者の声の欄)が掲載されました! 内容は、沖縄の米軍基地と地元との間にあまりにコミュニケーションが足りないことを憂うものです。

「沖縄外務省アメリカ局」での勤務を命ず!

翁長知事を攻めるほど沖縄県民は実力行使に向かう

2015年9月17日(木)

 2014年12月31日付で、著者は任期満了で沖縄県庁を退職した。それに遅れること3カ月、上司だった「沖縄外務大臣」も退職した。定年まで1年を残していたが、自他ともに認める仲井真弘多知事の側近であったので、県職員としては珍しく筋を通して退職した。ここに、文字通り「沖縄外務省」は解散した。

 だが、普天間飛行場移設問題は依然として残っている。そこで、この体験記を終えるに当たって、著者が退職して以降、本記事を執筆する時点までの出来事を振り返るとともに、今後の展望について述べてみたい。

翁長新体制がスタート

 まず、保革相乗りという沖縄では前代未聞の翁長雄志知事を迎えて県庁では、2014年の年末から年始にかけて基地問題を担当するトップが相次いで発表された。副知事に那覇市議会議長の安慶田(あげた)光男氏。その配下の知事公室長(部長に相当)に、沖縄美ら島財団常務理事で土木建築部参事監の町田優氏である。安慶田副知事は自民党に所属していたが、新風会(辺野古埋め立て反対の立場に立ち、容認に転じた自民党県連に反発し、脱退した人たちが作った会派)のメンバーである。

 なお、著者が所属した知事公室地域安全政策課も一応存続している。仲井真知事の肝いりでできた課であったので、翁長県政に移り、その存続が危ぶまれていた。一方で、翁長知事の肝いりで別途「辺野古新基地建設問題対策課」が2015年6月に発足した。また、翁長知事の選挙公約である、ワシントン事務所も5月に開いた。ここの所長は平安山(へんざん)英雄氏。在沖米国総領事館に長年勤め、総領事向けに政治的なアドバイスをしていた人物である。

 以上が、基地問題に関する、新翁長体制の主な顔ぶれだ。

オール・オア・ナッシングの交渉しかできない

 翁長知事は2014年11月の県知事選で圧勝したが、その基盤は盤石というわけではない。「オール沖縄」を標榜して当選しただけに、知事自身の可動範囲は、全基地閉鎖から基地容認まで様々ある沖縄の意見の最小公約数に狭められている。即ち、「辺野古反対」「オスプレイ反対」くらいしか、発言できる範囲がないのだ。特に現実的な妥協ラインはどこか?という話になると、「オール沖縄」では一切の合意はない。この可動範囲をちょっとでも越えれば、知事の支持基盤は分裂する。

 とどのつまり、「沖縄県のいうことをすべて呑むか」「それとも、呑まないか」という、オール・オア・ナッシング以外の交渉ができないということだ。これでは、日米政府とのまともな交渉相手たりえない。

 さて、こうした背景を持つ翁長県政が始まり、日本政府高官が翁長知事と面会しないという「異常」事態(通常、県知事は首相などには会えないものだが)が2015年3月まで続いた。「オール沖縄」現象は日本に復帰して以降、見られなかった状況。保革相乗りという知事の支持基盤がどれだけ安定したものなのか(自然崩壊しないか?)、政府が不安視したことが理由の一つだとみられる。

 だが4月から、不定期ながら面談が報じられるようになった。8月には沖縄県の基地負担軽減と振興策に関する集中協議を開始。これは9月7日に決裂するまで続いた。

 翁長知事は、安倍政権が集中協議の場でどのような説得をしようとも、「辺野古反対」のラインから一歩も出なかった。これは、先に説明した内情から考えて当然すぎる結末だった。4年も任期がある知事に対し、就任半年で自らの支持基盤を崩壊させ、自らの政治生命にピリオドを打つことに合意することを期待するのは無理筋だ。

続きを読む

著者記事一覧

もっと見る

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

韓国がダメでも、日本なら技術を見る「目」が投資家にあるはずだ。

崔 元根 ダブル・スコープ社長