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クリスティーナ・サイモン(くりすてぃーな・さいもん)

スペインIEビジネススクール教授

クリスティーナ・サイモン

スペインのマドリード自治大学で心理学の学位を取得、英オープンユニバーシティで技術のPh.D.を取得。2000年からIEビジネススクールの人的資源管理の教授。2008年からIE大学の心理学部長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

1分で読める経営理論

人件費とは削減すべき経費か、前向きな投資か

2016年9月27日(火)

「どうしたら人件費を削減できるか」ばかりを考えている企業と、「人件費は人への投資である」と考えている企業──。長期的には、どのような差がつくだろうか。

「最低賃金制度」導入のドイツ、大量解雇発生せず

 とある新聞の目立たない紙面の、ある記事に私は注意をひかれた。その記事は新聞の一面を飾ってもおかしくはないものだと私は思った。

 それは、2015年からドイツで最低賃金(時給8.5ユーロ=約960円、2017年から8.84ユーロ=約1000円に引き上げ予定)制度が導入されたにもかかわらず大量解雇は発生しなかった、という内容の記事だ。多くの専門家の事前予想とは裏腹の結果になった。4200万人の労働者を抱えるこの国で6万の雇用が失われたが45万件以上の新規雇用が創造された、というデータもある。

 ドイツでは従来から一部の業種で法定最低賃金があったものの、統一された最低賃金制度は設けられていなかった。しかし、2015年1月に初めて全業種共通の最低賃金制度が設定された。最低賃金制度の導入は企業の負担を高め、雇用消失につながるのではないかと心配する声もあったが、結果的に所得向上による消費拡大の方向に働いた。

 もちろんこういったデータはいろいろな観点から分析できるのも確かだが、グッドニュースということはできるだろう。その理由としてはもちろん、人件費がかさんだ場合、かつてはすぐに解雇の措置が取られてきた、という現実がある。

 1990年代ドイツではすでに今回と類似したケースが起こっていた。いくつかの大手銀行のオフィスに新しいテクノロジーが導入された時、銀行員たちを解雇する代わりに、サービス向上のための職員の研修に投資した、ということがあったのだ。こうした英断の中には労働者を単なる資本の“コマ”とはみなしていない哲学があることは確かだ。

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