こっちだけ、何か蚊帳の外でね
「こっちだけ、何か蚊帳の外でね」。1979年、日本が初めて議長国を務めた東京サミット(主要国首脳会議)を終え、大平正芳首相はこう漏らしました。第2次石油ショックの渦中で、国別の輸入削減目標の明記を巡り紛糾。高度成長の最中で輸入依存度の高い日本は孤立し、開催期間中、欧米首脳がホストの日本抜きで朝食会を開く事態に至り、大平首相は顔色を失いました。
そして今年。サミット議長国、日本の任期は本来、12月までです。けれども、11月15日にワシントンで開くことになった金融危機対応の緊急首脳会合について、日本が取り仕切った形跡はない。「新興国も参加するし、集まりやすい米国がいいんでしょ」と麻生太郎首相は平静を装います。日本外交の存在の耐えられない軽さ。ツケはどう回ってくるのか。
(編集長 佐藤 吉哉)
■特集
「孤独だよ。自動車の運転と違って風切り音なんて聞こえないしね。ものすごいスピードで氷の上を滑っていくような感じかな」。特集で取材させていただいた三菱重工業の渡邉吉之さんは、戦闘機の操縦についてこう説明してくれました。合計1時間半のテスト飛行では15分ぐらいが「ミッション時間」。急降下や急旋回では人間の限界とされる「9G」の重力がかかり、「脳細胞が死に出す」そうです。
こんな過酷な任務をなぜ30 年も続けられるのか。渡邉さんは「女の子にもてたいからだ」と豪快に笑い飛ばします。ただ、鍛え上げられた鋼のような肉体を見れば、いかに厳しい節制と鍛錬を長年、そして日々続けてきたかが一目瞭然です。自衛隊への納期遅れになろうと、現場の妥協は絶対に許さない。そんな鬼軍曹ぶりに「戦士の気概」を感じました。
(佐藤 紀泰)
■戦略フォーカス
ロームの取材の際、福利厚生棟にある社員食堂に案内されました。開放感に溢れるガラス張りで、入り口は吹き抜け。メニューは和・洋・中と豊富で、外食大手の西洋フード・コンパスグループが店を構え、銀座スエヒロ、マクドナルドもあります。工場や事務棟が立ち並ぶ中でひときわ目立ち、通行人がレストランと間違って立ち寄ることもあるそうです。
オープンは1999年夏。ロームは約17億円も投じました。福利厚生棟にはフィットネスルームもあり、社員の健康や心のゆとりを重んじる姿勢を感じます。こんな社風は自由な発想を生み出す土壌ともなっているでしょう。世界経済は一段と厳しさを増していますが、こういう時こそ社員のやる気を引き出す職場環境を整える必要があるのではないでしょうか。
(鷺森 弘)
2008年11月3日号より
[往復書簡]
- 言葉では言い表せない違和感 (09年1月9日)
- 人間の英知を信じ、悲観主義に陥らない (08年12月30日)
- セレンディピティ(serendipity)に皆さんが巡り会えることを祈りつつ・・・ (08年12月19日)
- キーワードは「見栄ない消費」 (08年12月12日)
- 失言をしている暇はないのです (08年12月5日)
- 株式を公開する意義とは・・・ (08年11月28日)
- 働くことの勲章 (08年11月21日)
- 逆境では企業や個人の真価が問われる (08年11月14日)
- 職住・公共サービス集積地 (08年11月7日)
- こっちだけ、何か蚊帳の外でね
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