職住・公共サービス集積地

 「鉄道駅」復権の時代──。少子高齢社会、地球環境意識、財源難の中での景気浮揚策・・・。日本がこれから直面する経済状況を考えると、こんな結論に行き着きます。効率の良い医療や介護、教育などの提供には住民に集まって住んでもらう必要がある。地球温暖化防止には鉄道が役に立つ。公共事業も費用対効果で考えると、高速道路整備よりも、既存の鉄道網や駅の整備の方が得策。特に、中核駅の周辺は民間資金も呼び寄せ、「職住・公共サービス集積地」と位置づけることができる。
 そういえば、人々の集まる地点をGPS(全地球測位システム)で把握し、その情報をビジネスにする話を聞いたことがあります。人の集まるところに商機あり。その意味でも「駅」の威力は絶大。消費不況にあえぐ百貨店業界などが「駅」になびく事情が浮き彫りになってきます。

(編集長 佐藤 吉哉)

■特集

 特集で取材したルミネ。好調さの背景の1つには、花崎淑夫社長その人もあるでしょう。東日本旅客鉄道(JR東日本)出身の花崎社長が、ファッションとは無縁と言われた駅ビルを蘇らせたのは、顧客志向を徹底する揺るぎない信念があったからこそ。「現場をバカにしてはいけない」。自分に言い聞かせるように何度も何度も繰り返せば、店舗全体に浸透していきます。「同じ言葉を繰り返して言うことの素晴らしさを知った」と関係者は言います。
 毎年売り場の15〜20%を改装し、ショップの入れ替わりも激しいルミネ。かつて花崎社長はテナントに退店をお願いする際、こう言ったそうです。「ルミネにとって必要なブランドができたら、土下座してお願いにあがります」。売り場にかける情熱を社長自らが体現しているからこそ、店舗全体に広がるのだと痛感しました。

(飯泉 梓)

■戦略フォーカス

 「超硬工具業界には人情が色濃く残っている」。工具の代理店や販売店の関係者からはこんな話をよく耳にします。工具ユーザーの厳しい要求に応えるため、日本の工具メーカーと流通業者は強固な関係を構築してきました。
 戦略フォーカスに登場したスウェーデン企業サンドビックは、長年この関係に入り込めずにいました。「横文字の会社とはつき合いたくない」。ある販売店から、こう言い放たれたこともあるそうです。
 そこで藤井裕幸社長は、流通業者に受け入れられやすいよう、英語だった営業員の肩書を日本で馴染みのある名称に書き換えました。例えば「エリアテクニシャン」を「技術営業」に変えるといった具合です。藤井社長の日本化戦略は工場だけでなく、流通網の強化にも貢献しています。 

(飯山 辰之介)

 2008年11月10日号より

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