働くことの勲章

 幼い頃、親と一緒に行った銭湯で、近所の大工さんに会った時のこと。左肩に大きな瘤(こぶ)があるのを見つけ、ぶしつけに「どうして?」と尋ねました。「材木を担いでるから」との答えに「すごいんだなぁ」と感動を覚えました。「働くことの勲章」への敬意でしょうか。
 今年夏、工作機械の牧野フライス製作所が社員向けに絵本を出しました。題して「おじいちゃんの大切な一日」。熟練工と孫娘の交流から、モノ作りへの情熱を描く内容です。「キサゲ」という加工作業で作業服の腰のあたりが擦り切れているのに孫娘が感心するシーンに、ふと自分の記憶が蘇りました。
 「モノ作りの大切さを伝えたい」という同社の牧野駿専務の要請で、幻冬舎が編集。非売品ながら、作家の重松清さんが書き下ろした本格作品です。
 今、社員寮や運動会、旅行などの社内行事の復活が相次いでいます。成果主義でバラバラになった組織や社員の一体感の再生に、どの企業も懸命です。企業遺伝子の伝承や組織の紐帯探しの競争が始まります。

(編集長 佐藤 吉哉)

■特集

 特集では、飲み会を際立って重視するペットフード大手ユニ・チャームペットケアをご紹介しました。記事に書いたほか、もう1つの飲み会にもお邪魔しました。
 「騒げる場所は限られて・・・」と案内されたのは、都内の物流ビルの最上階の中華料理店でした。社長も参加した100人ほどの大宴会です。騒げるところが必要なのは、宴会の最後に、全員が輪になって「ユニ・チャーム節」なる歌を大合唱するからでした。印象に残ったのは、さあさあと私を輪へと誘った、転職組の年長社員の方が歌いながら、「こんな1 部上場企業、ほかに絶対ないよ」と大声で言ったことでした。
 「会社の一体感、職場の熱さは日本一」。言葉から誇りすら感じました。確かに目下、好業績。今こそ社員の燃えるような士気が必要です。

(星 良孝)

■フィーチャー

 秋葉原の電子部品店の店主はマニアがお客。きっと素人が質問しても答えてくれないのだろう・・。私はそうしたイメージを勝手に抱いていました。
 そんな折に、小型衛星を製作しているという女子学生に会いました。今でこそ米国の砂漠でロケットを打ち上げるほどの技能の持ち主ですが、大学に入るまでは部品を触ったことすらなかったといいます。
 そんな彼女が頼ったのが、強面の店主。秋葉原を訪れては、部品情報を仕入れ、回路の組み方などを習ったそうです。しかも、「店主は男性には怖いけど、女性には親切」なのだとか。
 実は私、小学5年生の妹に「お姉ちゃん、一緒にロボットを作って」と頼まれて困っていました。生まれてこの方、ハンダづけをした経験はありません。今度の週末、彼女を連れて秋葉原に行くことにします。

(鈴木 雅映子)

 2008年11月24日号より

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