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「何もしなくて節電」の秘密兵器

“見える化効果”も活用する「デマンドレスポンス」

  • 井上 さやか

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2011年11月11日(金)

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 今年の夏、東京電力の管内では、平日の最大需要が昨年と比べて約20パーセントの減少となった(7~8月の平均値)。猛暑だった昨年と比べると比較的涼しい夏だったということを考慮しても、企業や家庭における著しい節電の努力が実を結んだことは間違いないだろう。

 今回、電力不足が心配され、節電のために様々な努力が行われたことは、電力システムの根本的なあり方を見直すきっかけとなるはずだ。

 ポイントは、供給が十分ある時には、需要に合わせて供給を増減させていていれば良かったのに対し、今回の大震災で供給に限りが出てきたため、需要の方を供給能力に合わせて低減させる必要が出てきたという点にある。 震災前の電力供給が十分にあった日本では、需要の抑制はそれほど必要ないと思われていたが、今後はそう言っていられず、「需要の方を供給に合わせて増減させる」ことを検討していく必要がある。

 実はこの、「需要の方を供給に合わせて増減させる」という考え方は、米国では必要に迫られて以前から取り組みが進められている。

 電力需要が多い時に電力価格を高く設定したり、また、電力システムが不安定になる可能性がある場合に電力消費を減らす行動に対して奨励金を与えたりすることで、需要を抑える仕組みを作るのが一般的だ。需要側で応答するという意味で、「デマンドレスポンス」と呼ばれている。

500万kW分の電力設備が不要に!?

 カリフォルニア州は、デマンドレスポンスが進んでいる州の1つだ。2000年から2001年にかけて停電が頻発した電力危機を受けて、デマンドレスポンスに関する検討が始まった。さらに2006年に起こったカリフォルニア大停電がさらなる後押しとなって、デマンドレスポンスプログラムの導入が進んでいる。

 デマンドレスポンスの果たす役割として、第1に、余分な電力設備を減らせるというメリットがある。カリフォルニアも日本と同様に、電力需要は夏に最も多くなる。夏のピークにおける最大需要は5000万キロワット(kW)くらいであるが、実は4500万kW以上の電力が必要となる期間というのは、1年間(8760時間)のうちのたった57時間である。期間にして1%に満たない。

 つまり、夏の間の数日間における数時間にのみ、動かさなければならない発電所があるのだ。もし、そのピークの数時間にデマンドレスポンスによって電力を4500万kW以下に抑えることが可能ならば、500万kW分の、「ピークの時にだけ必要とされる電力設備」を余分に持たなくてよいことになる。

 カリフォルニア州の電力会社各社は、ピーク時の需要を抑えるために様々なデマンドレスポンスプログラムを用意している。

 例えばPG&Eは、事業者向けに、年間のうちで最もピークの時間帯のみ電力価格が著しく高くなり、その代わりその他の時間の料金が安くなる料金体系(ピーク・デイ・プライシング)を用意している。このほか、大口需要家に対してはPG&Eからのシグナルに応じて需要を減らす行動に奨励金を支払う各種のプログラムを用意している。

 以前は、電力会社からの通知を受けた施設の管理者が、手動で需要を制御する行動を行なっていたが、現在はそういった需要の制御を自動化することも可能だ。つまり、何もしなくても必要な時に電力の削減が行われるようになる。

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