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「米国は日本のTPP参加を歓迎する」

第5回 クマール米商務省次官補

  • 市村 孝二巳

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2011年11月11日(金)

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 曰く、「TPPは米国の陰謀」「米国は日本のTPP参加を望んでいない」…。TPP亡国論は、米政府や産業界の意見を正しく受け止めず、都合のいい方向に米国の意向を曲解しようとしている。5年で輸出を倍増させるというオバマ政権の「国家輸出戦略」の責任者である、スレッシュ・クマール米商務省次官補(貿易振興担当)は、「日本のTPP参加を歓迎する」と明言し、TPPは日米が共同で経済成長のけん引力となるイノベーションを生み出していくために必要な枠組みであると強調した。インド、韓国、日本、モンゴル、中国のアジア5カ国を歴訪したクマール次官補に、TPPの狙いと意義を聞いた。

――米国には、日本のTPP(環太平洋経済連携協定)参加を巡って2つの意見があると聞いている。1つは中国に抜かれたとはいえ、GDP(国内総生産)でみて世界で3番目の経済大国であり、日本がTPPに加わる効果は大きいという意見。もう1つはWTO(世界貿易機関)でのドーハ・ラウンド(多角的通商交渉)などで経験した通り、日本が加わると決断に時間がかかり、交渉のプロセスが遅れる、という批判だ。

クマール:米国にとってだけではなく、日本は世界にとって極めて重要な市場だ。いま指摘されたように、日本はGDPで5.5兆ドルと世界第3位の市場だ。米国は14兆ドルを超える世界最大の市場だが、輸出をするには相手が必要だ。両国には大きな市場があり、両政府は正しい政策をとり、両国企業は建設的な関係を構築している。

 TPPについて言えば、米国は日本の参加を歓迎する。日本は米国にとって重要な貿易相手国であるだけでなく、大きな支援国であり同盟国だ。いつ、どのように参加するか、あるいは交渉参加に必要な国内手続きをどうするかは日本が決めることだ。我々は日本のTPP参加を歓迎する。

クマール氏略歴
 スレッシュ・クマール米商務省国際貿易局貿易振興担当次官補兼合衆国・外国商業サービス局長。インド・デリー大学卒、ボンベイ大学で経営学修士(MBA)取得、米サンダーバード国際経営大学院卒。1970~85年にはインドの国営テレビ番組のニュース、スポーツキャスターを務めた。米ラトガース大学教授、クリントン財団特別顧問などを歴任したほか、米ジョンソン・エンド・ジョンソン、ワーナーランバート・ファイザーなどの経営にも携わった。2004年には「命と暮らしを向上」を掲げ、経営コンサルティング会社「カイゼンイノベーション」を設立、社長を務めた。
(写真:菅野勝男)

――オバマ政権は輸出倍増を目指しているが、米国はTPPを通じてどのような製品の対日輸出を増やしたいと考えているのか。

クマール:まず、日米の貿易関係をデータで整理してみよう。米国と日本の間には長年かけて築き上げてきた強力な通商関係がある。1800億ドルの対日貿易額のうち、1200億ドルが日本からの輸入、600億ドルが日本への輸出。日本は600億ドルの対米貿易黒字があるということだ。

 この数字は今年1~8月にも増加基調にある。820億ドルの対日輸入、430億ドルの対日輸出は、ともに増加している。

 直接投資も重要な要素だ。米国からは1130億ドルの対日直接投資があり、日本からは2630億ドルの対米直接投資がある。これは日米のビジネス界にとって両市場がいかに重要かを示している。

 問題はここから、さらに何を増やせるか、発展させられるかだ。

 将来、期待できる分野はたくさんある。オバマ大統領が明確に語っているように、未来を勝ち取るには、我々は世界を上回る勢いでイノベーションを生み出していく必要がある。我々はイノベーション、そして革新的な製品を目指すと約束している。日本のような先進市場で、我々はともにイノベーションを求め続けていく。そうすれば、両国民の生活向上に役立つ先進的な製品、技術、サービスに手が届くようになる。

 いくつかの市場を例に挙げてみよう。

 まず第1に、ヘルスケア市場。日本の医薬品市場は936億ドルで、米国に次いで世界で2番目に大きな市場だ。この市場で米国は20%のシェアを持っている。我々は革新的な処方薬を開発し、日本にも供給している。武田薬品工業、大正製薬、第一三共といった日本の製薬企業は、米国の製薬企業と密接な関係にある。我々がこの関係をさらに促進すれば、革新的な新薬開発にも役立つ。医療機器の市場も232億ドルと大きく、米国は26%のシェアを持っている。

 日本でのニーズ、日本市場の洗練度、ともにイノベーションを作りだせる潜在的な可能性、これが大統領の語る未来だ。

 280億ドルのバイオテック市場では、米国は世界を研究開発で先導するリーダーシップを持っている。ここでは60%のシェアがある。

 我々の共通の目標は、イノベーションだ。日本はGDPの3%を超える研究開発費を費やしている。

 サービス分野の発展の余地も大きい。日本からは毎年340万人の旅行者が米国を訪れ、146億ドルを消費する。日本からもっと多くの旅行者に来てもらい、米国の国土、文化に触れてほしい。

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