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「日本抜きのアジア経済秩序はあり得ない」

第3回 小寺彰・東京大学大学院総合文化研究科教授

  • 市村 孝二巳

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2011年11月9日(水)

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 オーストラリアとともにAPEC(アジア太平洋経済協力会議)を作り、米国を巻き込んで環太平洋の自由貿易構想を推進しようとしていた日本の理想はどこに消えたのか。アジアのリーダーを標榜していたはずの日本の内向き志向に警鐘を鳴らすのが、小寺彰・東京大学教授だ。オバマ米大統領がTPP参加を宣言した2009年からTPP参加を逡巡し続けた日本はすでに2年遅れであり、反対派が懸念する、国家と投資家の紛争解決(ISDS)なども恐れるに足らず、と喝破する。

 TPP(環太平洋経済連携協定)の意味に関して、少し大きなフレームワークからご説明したい。

国を二分して喧々囂々する問題か

 私はTPP参加に賛成だし、TPPに入る以外に日本に選択肢はないと思う。ただし、TPPによって国を閉じるとか開くとか、そういう極端な話ではない。日本は戦後一貫して国を開いてきた。その延長線上にTPPがあると考えたほうがいい。国を二分して、喧々囂々(けんけんごうごう)するような大きな問題なんだろうか。

小寺 彰(こでら・あきら)氏 1976年東京大学法学部卒、東京都立大学教授などを経て現職。国際法、国際経済法、WTO(世界貿易機関)など通商協定を専門とする。
(写真:清水盟貴)

 国際通商体制というのは、WTO(世界貿易機関)が150カ国・地域をカバーして存在している。日本は長らくこのWTO 体制によって自由化を達成してきた。1995 年にはウルグアイ・ラウンドが終結し、現在のWTO体制ができた。その時もコメを輸入する、しない、ということで喧々囂々、議論をしてきた。

 150カ国・地域が関わっている全世界体制のWTO。その中でいわば契約のような形でFTA(自由貿易協定)、EPA(経済連携協定)が結ばれる。これは名前をどうつけるかというだけで、中身は同じものだ。こうしたものを契約のような形で結ぶことがWTO体制の中で認められてきた。TPPというのはこのEPAの一種だということを最初に押さえておきたい。

 WTOの自由化はどうなったかというと、21世紀に入って全然進んでいない。現在は失敗させるということについて合意さえできない。事実上失敗していると私は思っているが、失敗しているということをみんな認められないで、交渉が続いているというのが現状だ。

 しかし企業はグローバルな活動を日本のみならず展開していて、どうしても自由化を実施していかなくてはいけない。そこで各国はWTOによらないで契約であるFTA、EPAを結ぶことによって、経済活動の円滑化を図ってきた。

 日本は21世紀に入ってからシンガポール、メキシコ、ASEAN(東南アジア諸国連合)、スイスなどと数多くのEPAを結んできた。日本がEPAを結んだのは21世紀に入ってからであり、それ以前は全く結んでいなかった。

 米国も初めてEPA、FTA を結んだのはイスラエルだが、本格的には1994年のNAFTA(北米自由貿易協定)が最初であり、それ以降どんどん結んでいく。いわば世界的に、WTOを前提にしながら契約的な関係を結んでいき、それによって自由化を達成してきているというのが現状だ。

 そこで日本はこれまでもEPAを結んできたが、今のTPPほどの喧々諤々の議論はしてこなかった。つい最近、ペルーとのEPAができたが、おそらくご存じない方も結構いらっしゃると思う。

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