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才能に「障害」はない

パソナハートフル[前編] 事務から農業、アートまで“フルライン化”

  • 高嶋 健夫

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2011年11月24日(木)

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 「障害者雇用」に新しい風が吹き始めている。

 官民挙げての取り組みによって、障害者のある人たちの就労環境はここ数年ゆっくりとではあるが、着実に改善を続けている。民間企業セクターにおける障害者雇用率は1.68%(2010年6月現在)で、とりわけ「ダイバーシティ経営」の推進に積極的に取り組む大企業グループでの雇用増がめざましい。障害者雇用促進法が定める法定雇用率1.8%(従業員56人以上の企業の場合)にはいまだ届かないものの、早期の達成も視界に入ってきた状況だ。

 そうした中でにわかに活発になってきたのが、障害者の雇用拡大、就労支援、あるいは生活支援を「ビジネススキーム」の中で実現しようというニューパワーの台頭だ。国・自治体による福祉施策の枠組みを超えた、全く新しい「障害者支援ビジネス」と呼ぶべきソフトサービス分野が誕生しつつある、と言っても過言ではない。

 担い手となっているのは、20~30歳代を中心とした若い社会起業家(ソーシャルアントレプレナー)たち。障害者の社会参加や経済的自立を後押しし、真の意味での「戦力化」を実現する新たなビジネスモデルの構築を目指してベンチャー企業を立ち上げる起業家もいれば、自ら手を上げて既存の大企業組織の中で就労の場を広げようと意欲を燃やすイントラプラナー(社内起業家)もいる。

 「社会を変えたい」「世の中の役に立ちたい」「誰かを支えたい」――。彼らは判を押したようにこんな熱い想いを口にする。ビジネスにおいても、彼らが何よりも大切に考えているのは「つながり」や「絆」だ。そこには東日本大震災後に表出した“助け合い文化”にも相通ずる、若い世代の新しい価値観・行動規範が端的に映し出されているようにも思える。

 筆者は昨年来、本サイトで『障害者が輝く組織が強い』を連載し、わが国産業界の障害者雇用の現状をルポしてきた。今回はそんな社会起業家たちの活躍を縦糸にして、最先端の動向を追う。

 第1回は人材派遣大手、パソナの特例子会社であるパソナハートフルの取り組みから、障害のある人たちの職域拡大や能力開発の可能性と課題を探っていく。

 パソナハートフルの最大の特徴は、障害のある人たちに「多様な職場」を提供している点にある。キーコンセプトは「才能に障害はない」。それぞれの障害特性、適性、能力、本人の希望、生活環境などに応じて各人に合った仕事と働き方を選択できるように、試行錯誤を繰り返しながら体制作りを進めてきた。

 同社には現在、次の6つの事業部門がある。

[1] パソコンによるデータ入力や印刷、名刺制作、郵便物の集配といった一般事務を行うオフィス業務部門
[2] 絵画制作を専門とする「アーティスト社員」が就労する「アート村」
[3] アート村で制作された作品をモチーフにしたカレンダー、文具などのオリジナルグッズを制作・販売する「アート村工房」
[4] 野菜や果実などを無農薬栽培して販売する「ゆめファーム」
[5] パンや焼き菓子を製造販売する「パン工房」
[6] 外部の顧客企業向けに障害者雇用関連のコンサルティングやアウトソーシング事業を手がけるサポートサービス部門

個性・能力・障害特性に合わせた「多様な職場」

 このうち、サポートサービス部門を除く5つの事業部門に障害のある社員が配属されている。事業拠点も、通勤事情などに配慮して首都圏近郊を中心に分散配置。例えば、「アート村工房」は東京・武蔵野市、千葉県流山市、東京・大手町、大阪・梅田の4カ所、「ゆめファーム」は流山市と八千代市の2カ所といった具合だ。

 他方、運営に当たっては各地域の特別支援学校、社会福祉法人、障害者就労支援機関はもちろん、絵画作家やパン職人、農業の専門家などとも連携。福祉や専門技能に関する外部ノウハウと、本業の人材派遣で蓄積してきた自らの採用・教育・管理ノウハウを融合させて「障害のあるプロフェッショナル」を輩出しようという独自の人材育成スキームの構築を目指している。

コメント7件コメント/レビュー

拝見させていただきました。障害のある方を支援する方法としてビジネスが活用されるのは、とても良いことだなと。今後の連載も楽しみにしてます。(2011/11/28)

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いただいたコメント

拝見させていただきました。障害のある方を支援する方法としてビジネスが活用されるのは、とても良いことだなと。今後の連載も楽しみにしてます。(2011/11/28)

3番目のコメントを書いた者で、もう1回書かせていただきますが、障害者が求めていることって「障害を意識しないで行動できること」なんですよね。別に「障害者が作った者がよかった」みたいなお涙頂戴論や「障害者」ではなく「障がい者」と書けみたいな瑣末的なことなんて求めてないんですよ。それよりも、エレベータやスロープを付けるなどのバリアフリー化やユニバーサルデザインを意識した建物や製品を作って、体が不自由でも自立した行動ができるように環境を整備してほしいことなんですよ。ただ、これはあくまでも車椅子に乗って行動している自分の要求であり、目の見えない人や耳の聞こえない人の要求は若干異なるかもしれませんが。(2011/11/24)

障害者の、非就業率は相当高いでしょうが、実のところ、絶対数でいくと、雇用保険もないまま働いている、零細の事業所が無数にあり、その就業者や、派遣労働など、いわゆる、底辺の労働者の健常者が、少ない収入で現在悲鳴を上げている。親の年金が、なまじあるため、小ずるく働かないフリーターの存在も事実あるし、振り込め詐欺なども、その歪んだ格差社会の産物かも知れぬ。弱者の代表としてのこんな企業をも大いに認めるが、ごく普通の(出世欲がない、要領の悪い)彼らの存在も今一度、見直して、格差社会を、解体する道を、探らなければならないだろう。(2011/11/24)

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