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米韓FTA、韓国で大迷走の理由

国会批准メド立たず、“FTA先進国”が大揺れしている

  • 玉置 直司

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2011年11月22日(火)

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 FTA先進国ともいえる韓国で、米韓FTAの国会批准を巡って大混乱が続いている。すでに米国では李明博(イ・ミョンパク)大統領の国賓訪米直前に議会で批准手続きを終えたにもかかわらず、韓国では野党の強い反対で、批准手続きがどんどん遅れている。韓国で今、何が起きているのか。

 ついこの間まで、韓国は「FTA先進国」だった。日本でもTPP(環太平洋経済連携協定)参加を主張する経済界などからは「韓国に学べ」という声が出ていた。

 ところが、状況はまったく変わってしまった。米韓FTA批准を巡る国会の迷走は長期化して「10月中に批准」という当初の政府見通しはもちろん、先行きが全く見えなくなってしまった。

「批准できないことも真剣に考えないと…」

 米国と歩調を合わせて2012年初めにFTAを発効させるためには、定期国会が会期末を迎える12月9日までに批准する必要がある。与党内では、強行採決すべきだとの意見が強まっているが、本稿執筆時点(11月20日)では依然、メドが立っていない。

 ある元政府高官は「米韓FTAの批准ができないことも真剣に考えなければならない」とさえ語るほどだ。

 保守色の強い韓国メディアは連日のように、TPP交渉参加を表明した日本の「決断」を持ち上げて報じている。

 李明博大統領は2011年11月15日午後3時、韓国の国会を訪問した。韓国の大統領が国会を訪問することはきわめて珍しく、李明博大統領も外国賓客の演説などの行事以外で国会を訪れたのは就任以来初めてだった。前日の夜中にAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議から帰国したばかりの李明博大統領が国会を訪れたのは、米韓FTAの国会批准に反対している野党を直接説得するためだった。

 与野党の代表との会談で李明博大統領は、野党が反対理由にあげている「投資・国家訴訟制度(ISD)条項」について、「国会がまず米韓FTAを批准したら、3カ月以内に米政府にこの条項の改定について米国と交渉する」と約束した。

野党はさらにハードルを上げた

 大統領が野党代表を説得するために自ら国会に足を運ぶ。それだけでなく、既に米国では議会の批准とオバマ大統領の署名手続きまで終わっている「米韓FTA」について、「再交渉」まで約束する。大統領にとっては、最大限の譲歩とも言えるが、裏返せば、それだけ追い詰められていると言えなくもない。

 李明博大統領の「再交渉提案」に対して、米政府もすぐに「米韓FTAが発効した場合、韓国政府のどんな提案も協議する準備がある」との声明を出した。

 これで一件落着かと思いきや、野党はさらにハードルを上げてみせた。

 「すぐに再交渉を開始するするという両国政府の閣僚級の署名文書を提出せよ」――。李明博大統領の説得に対して「NO」を突きつけたのだ。

大統領、メンツが丸つぶれの1カ月

 李明博大統領にとっては、メンツが丸つぶれの1カ月だった。10月11日から、李明博大統領は米国を国賓訪問した。韓国大統領の訪米にタイミングを合わせて、米議会は翌12日に、米韓FTA実施法案を可決した。

 おかげで翌日の首脳会談は和気あいあいの雰囲気で進んだ。李明博大統領はこの上なく上機嫌だった。14日にはオバマ米大統領とそろってデトロイトのGM工場を訪問し、従業員を前に「FTAは皆さんの職を奪うものではないことを約束する。もっと多くの雇用を生むものだ」と語り、喝采を浴びたのだ。

 ところが、帰国した李明博大統領を待っていたのは、野党や労働団体、農民団体の強い「米韓FTA反対運動」だった。特に、農業団体や進歩系の市民団体は連日、国会前などで反対デモを繰り広げた。

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大量陳列、大量販売というのがある程度限界にきているのかなと思います。

松﨑 曉 良品計画社長