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ハーバード大学で最も学生に人気のある授業とは?

「生きやすさ」のヒントを求めるエリート候補たち

  • 宇野 カオリ

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2011年12月6日(火)

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 アメリカ最古の大学、ハーバード大学構内にある、こちらも最古の建築物、メモリアルホール。そこに、講堂と劇場を兼ねた古式豊かなサンダーズ・シアターがある。「NHK ハーバード白熱教室」をご覧になった方には、マイケル・サンデル教授が「正義」の授業を行った場所としてお馴染みであろう。

 2006年春、約1200人収容のその大講堂を所狭しとハーバード・カレッジ(学部に相当)の学生たちが埋めていた。講義の最中、ノートを取るためにパソコンを打ち込む音が聞こえるほかは、おしゃべりをする声も携帯をいじる音も一切せず、一心に講義に聞き入るために大講堂がシーンと静まり返っていた。

 当時、ハーバードで一番の人気授業だったタル・ベン=シャハー講師によるポジティブ心理学の講義の一風景である。

 それより遡ること4年前、ハーバード大学大学院を卒業したばかりのベン=シャハー氏は、同大学で先駆的にポジティブ心理学の講座を開講した故フィリップ・ストーン元教授より同講座の担当を引き継いだ。以来、ベン=シャハー氏は、ポジティブ心理学の言葉を借りて「自己探求の物語」を語り始めた。

 ハーバード・カレッジでコンピュータサイエンスを専攻していた彼は、日々考えていたという。
「自分は今までずっと努力してきて、得るものは得てきたのに、なぜこんなに満たされないのだろうか」

「私が学部生だった時にこんな授業があればよかった」

 ベン=シャハー氏は、大学院で哲学と心理学を専攻するうちにポジティブ心理学と出合う。卒業後、自分が教える側に回ったとき、彼は開口一番、学生たちにこう語りかけた。
「私がこの授業を受け持っているのは、自分がこの大学の学部生だった時に、こんな授業があったらよかったのにと思うからなのです」

 そうやって、初年度は1ケタの学生数であったところが、翌年には380人、そのまた翌年には855人と、学生たちの口コミだけで年々と履修者を増やし、ついにはハーバード・カレッジの心理学講座としては史上最大の学生動員数を達成したのである。

 ハーバード大学というアメリカ屈指の最高学府の持つ、押すに押されぬ「社会的信任状」に加え、人々を妄信的にまで魅惑し続ける「魔力」が後押しして、全米をはじめとする世界中のメディアが、「あのハーバードで、幸せになるためのポジティブ心理学が学生たちに人気!」といった調子で、この異様に熱気を帯びた現象をこぞって取り上げた。

 ポジティブ心理学とは、1998年当時、アメリカ心理学会会長であったペンシルベニア大学教授のマーティン・セリグマンによって創設された一学問領域であるが、まだ歴史の浅い分野でありながら、メディア先導でその知名度が一挙に高まった事実がこの分野に与えた影響は極めて大きい。

コメント4件コメント/レビュー

とても興味深い記事をありがとうございました。amazon.comで『幸福優位 7つの法則』のレビューを読みました。原書で読んでみたいです。(2011/12/07)

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記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

とても興味深い記事をありがとうございました。amazon.comで『幸福優位 7つの法則』のレビューを読みました。原書で読んでみたいです。(2011/12/07)

心理学。人はなぜそのように行動するか。答えはあるようでなないようで…。「中庸」という言葉がなぜ大切なのか大人になってからわかってきました。(2011/12/07)

来週アメリカに出張するので、現地で原書を手に入れて読みます。結論はそのあとで・・・読んで気に入ったら、妻にも読ませます。(2011/12/06)

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