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人々を熱くした歌川国芳の画力

その2「元気がでます」ヒーローたちのパワー 

  • 岩切 友里子

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2011年12月26日(月)

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空前のヒットとなった「通俗水滸伝」シリーズ

 歌川国芳の出世作となった「通俗水滸伝百八人之一個(壹人)」は、さまざまな出会いによって108人の豪傑たちが集まり、不正な権力を挫いて人々を救うという、中国の伝奇小説「水滸伝」に登場する英雄たちの各々の活躍場面を描いたシリーズである。

 この錦絵が大評判をとった背景には、当時の文芸界の「水滸伝」ブームがあった。また、その勇壮で緻密な図様は、彫り物(刺青)の流行にも乗じ、「古今稀なる大当り」と評されるほどの人気を集めた。

 先ず最初に5図が出版されたと伝えられるが、その後、約10年間、次々と新図が出版され続けた。現在、大判74図が知られており、浮世絵史上初めての大部の武者絵のシリーズとなったのである。

 チャンスを得た国芳は渾身の力で筆を揮っている。画面からはみださんばかりの英雄たちが放出する大きなエネルギーは見る者の胸を熱くし、そのダイナミックな躍動感と力感には、まさに血湧き肉踊るものがある。

「通俗水滸伝豪傑百八人一個 九紋龍史進(きゅうもんりょうししん)・跳澗虎陳達(ちょうかんこちんたつ)」

 名作と称される作品の中に人を元気にする絵がどれだけあるだろうか。
 「絵空事」という言葉があるが、現実にはないイメージや願望を形として具現することは、絵にしかできないことである。

 絵空事であるからこそのパワー。国芳の武者絵は、絵が人に力を与えることもできるということを改めて認識させてくれる。

 九紋龍史進は棒術を得意とし、水滸伝百八人の英雄の中でも最も人気のあった英雄。九紋龍の名は、体に九匹の龍の彫り物をしていたことによる。
 山賊の頭領の一人であった跳澗虎陳達は、史進と戦って生け捕られるが、後に仲間とともに史進と義を結び、梁山泊に入る。

「通俗水滸伝豪傑百八人之壹人 浪裡白跳張順(ろうりはくちょうちょうじゅん)」

 浪裡白跳張順は水練の達人。張順は西湖に潜り、単身で杭州城の水門を破ったが、敵兵の集中攻撃を受け水中で最期を遂げた。
 水門の柵を飴細工のように捻じ曲げて侵入する張順。鈴の付いた縄は侵入者探知の装置。雪よりも白かったという肌に浮かび上がる彫り物の藍、褌の鮮やかな紅と水門の黒色の鮮烈な対比。
 本シリーズ中でも傑作の一つに数えられる作である。

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