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中国がスマートグリッドで大躍進

2011年11月28日(月)

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 前回の本欄「スマートシティの国際標準化バトルが始まった」で、世界で進む環境配慮都市建設に着目したISO規格化競争を取り上げた。その中で、日本がインフラビジネスの観点からスマートシティを評価する基準の規格提案に取り組んでいるのは紹介したとおりだ。

 今回はスマートグリッド(次世代送電網)に関する国際標準化バトルで起こった出来事を速報したい。実はスマートグリッドは、スマートシティよりも以前から日本が官民一体となって国際標準を狙っていた戦略分野であった。

世界が欲しがっている夢の技術

 スマートグリッドとは電力系統にスマートメーターや情報通信網を組み込み、電力管制所と家庭やビルなどの末端需要家との間で電力需給に関する情報をやりとりする仕組みである。

 この仕掛けの大きなメリットの1つはデマンドレスポンス(需要応答)にある。

 震災後、関東や東北では計画停電や電力使用制限令といった措置で電力不足を乗り切った。

 スマートグリッドが整備されれば、電力が逼迫しそうなときは電力会社の中央管制所が各家庭のエアコンの設定温度など、機器の電力消費を遠隔調整することで停電を回避できるようになる。需要側に過度な負担を強いることなく最悪の事態を避ける可能性が高まる。

 これまでは、年間のわずかなピーク需要にも十分に耐える発電可能量(発電所)を準備してきた日本だが、震災で事情は変わった。むしろ、世界の事情に近づいた分、日本でもスマートグリッドの必要性が高まったと言える。

 再生可能エネルギーの大量導入で生じる問題の解消にも役立つ。これもこれからの日本には重要なポイントだ。

 再生可能エネルギーの種類には様々あるが、例えば風力や太陽光発電の場合、コンスタントな発電は期待できない。風のない日や曇りの日は発電できなくなる一方で、天候次第では巨大な量の電力を生むこともある。このような電力源を従来の発電所に匹敵するほどの割合で大量に電力系統につなぐには解決しなければならない課題がある。

 需要と供給のアンマッチである。皆さんが普段コンセントにつないで使っている電気の周波数は東日本が50Hz、西日本が60Hzである。電気電子機器を正確に動かすには、この数値を常に一定に保たなければならない。

 しかし、需要より供給が少ないと周波数は小さくなり、逆に多いと周波数が大きくなる。アンマッチが拡大すると系統自体が不安定になって事故に至るのだ。これまでは発電側が需要に常に一致するように供給量を逐次コントロールしてきたが、再生可能エネルギーが増えるとこれが難しくなる。

 スマートグリッドはこの問題を解決する切り札になる。例えば太陽がガンガン照って発電過剰の状態になったとする。すると通信機能が一般家庭で待機状態にある電気自動車を探し出し、余った安い電気で自動的に充電したりする。逆に足りないときに電気がどうしても欲しい場合は、少し余分にお金を払うことで調達してくるような工夫も可能になる。

 スマートグリッドは電力系統だけではなく、系統につながるスマートホーム(情報家電)やスマートビル、電気自動車といった幅広い未来技術を結びつけて電気を“賢く”使いこなす魅力的なコンセプトである。

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「市川芳明 世界環境標準化戦争」のバックナンバー

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「中国がスマートグリッドで大躍進」の著者

市川 芳明

市川 芳明(いちかわ・よしあき)

日立製作所国際標準化推進室主管技師長

2000年、日立製作所環境ソリューションセンタ長などを経て、現職。IEC(国際電気標準会議)TC111議長、ISO TC 268/SC1議長、ISO TC207エキスパート。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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