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“災後”のエネルギー・コンセプト

  • 植田 和弘

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2011年10月6日(木)

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 東日本大震災と福島原発事故は我々にかつてない大きな衝撃を与えた。しばし立ち竦まざるをえない場面もあったが、今、被災地の人々をはじめ日本全国が、世界の人々も加わる形で震災復興に立ち上がっている。

 震災復興は、まず被災者の生活再建と人間復興として取り組まれなければならない。併せて、"災後"という言葉の誕生が象徴するように、震災前とは異なる価値の具体化が求められる。エネルギー政策はまさにそうした分野の1つである。

生命と安全を優先する原則

 エネルギー政策の骨格であるエネルギー基本計画を白紙から見直す作業が始まった。

 昨年6月に閣議決定された現在のエネルギー基本計画には、原子力発電所の大幅増設が盛り込まれていた。だが、今日、この計画は非現実的と言わざるを得ない。福島原発事故を受けて、原発に対する国民の目は厳しくなった。6月に出された震災復興構想会議の7原則には自然エネルギーの推進などがうたわれている。

 電力供給不足が日本経済の大きな制約要因になることを危惧し、停止した原発の再稼働を求める意見はあるものの、再稼働論は足下の電力に絞られた議論であり、震災の経験を踏まえた新しいパラダイムの提示を伴っているわけではない。

 災後のエネルギー政策の基本理念、エネルギー・コンセプトとは何だろうか。

 原発事故は、科学技術や政策、社会などあらゆる側面から検証しなければならない。

 ただ、今回の事故に直面して我々が強く感じたことは、生命・安全・エコロジーの絶対性とでもいうべきものである。原発事故と放射能汚染は、生命と安全が何よりも優先するという当たり前の現実をあらためて我々に突き付けたのである。災後のエネルギーを考える際、生命と安全を優先する原則については大方の人々が同意するであろう。

 しかし、生命・安全の優先原則をエネルギー政策のあり方に対する判断基準へと具体化するのはさほど容易なことではない。

 今回の事故で原発の「安全神話」が打ち砕かれたように、絶対安全な技術などこの世には存在しない。発電技術に対するリスク評価が必要になるが、低レベル放射線の影響評価に関する議論でも明らかになったように、専門家の間でも意見が異なる問題も多い。

「植田和弘 地球温暖化防止の環境経済学」のバックナンバー

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