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ダム大国 中国の悩み

2011年12月6日(火)

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 CO2を排出しない「クリーンエネルギー」の水力。しかし、ダムが1度建設されれば、破壊された生態環境は二度と元には戻らない。中国はダムの数では世界1位。今もなお、国内に開発可能な水力資源を豊富に抱えている。開発をとるか環境をとるか。中国は水力という「禁断の果実」を目の前にして戸惑い、迷走している。

タイの洪水は救いの女神?

 タイ・チャオプラヤ川の大洪水は、日本をはじめ世界各国の報道で大きく取り上げられている。

 ホンダなど多くの日本企業の工場がチャオプラヤ川沿いの工業団地に立地している。ただでさえ、欧州や米国の経済情勢に不透明感がある中で、日本の産業や経済への影響がどの程度になるか、大いに心配されるところである。

 しかし、世界の中にはチャオプラヤ川洪水のニュースにほっと胸をなでおろしている人たちがいることを忘れてはならない。

 読者にはご記憶の方もおられると思うが、2010年初め、中国の西南部で干害が発生し、メコン川流域も歴史的な大干ばつに見舞われた。メコン川流域各国が大干ばつにあえぐ2010年4月、バンコクから南西約200km、タイ湾に面したリゾート地、ホアヒンでメコン川流域諸国首脳会議が開催された。ここでメコン川の水資源管理をめぐって喧々囂々の議論が交わされた。

 メコン川はチベット高原に源流を発し、中国の雲南省を経て、ミャンマー・ラオス国境、タイ・ラオス国境、カンボジア、ベトナムを通り南シナ海に抜ける。

 中国を流れるメコン川上流は欄滄江(ランツァンジャン)と呼ばれ、中国でも有数の大河に数えられる。会議が干害の背景にあるメコン川の水管理に関する責任をめぐってとげとげしいものになったことは想像に難くない。

 会議に先立って、中国政府は欄滄江に建設したダムに関するデータをメコン川委員会に提供するとしたほか、欄滄江の小湾ダムなどへの視察受け入れを約束していた。しかし、中国はデータを小出しにしかしないなど関係国の不満は大きく、中国の自然保護に対する海外の不信を高める結果となった。

 こうした経緯があってから1年後、メコン川の下流国であるタイで洪水が発生した。洪水に見舞われた地域にとっては惨事に違いないが、中国のメコン関係者から見れば、日照りの中の慈雨というような面があったかもしれない。洪水はメコンの下流国であるタイに十分すぎる水がもたらした。しかも洪水自体はメコンが原因ではない。こうした状況を考えると、中国のメコン関係者が一時の“緊張緩和”に胸をなでおろしていることは間違いない。

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「ダム大国 中国の悩み」の著者

青山 周

青山 周(あおやま・めぐり)

経団連中国事務所長

経団連事務局で地球環境・エネルギーグループ長、アジアグループ長などを歴任。2012年4月に中国事務所新設により初代所長に就任。中国上海の復旦大学に留学経験があり、中国と環境分野に強い。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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