• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

タイの大洪水はなぜ起きた

2011年11月29日(火)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 タイの洪水は首都バンコクを完全にマヒ状態においたばかりか、工場地帯を直撃してタイに進出していた日本企業などに巨額の損害をもたらした。タイ政府は「50年に1度」の大洪水と発表しているが、この国の洪水の歴史を調べると、頻繁に発生してきたことがわかる。東日本大震災で、過去の地震や津波の軽視が大きな被害につながった可能性が指摘されたが、この大洪水でも進出企業には同じことが言えそうだ。大洪水の背後には急激に失われた森林や膨張をつづける都市がある。

ダブルパンチ

 チャオプラヤ川流域の洪水は、7月下旬からつづいた大雨による川の氾濫からはじまった。北部のチェンマイ県から河口に近い首都バンコクまで、58の県にわたって600万ha以上が浸水した。各地で大規模な洪水被害が発生し、11月10日現在、24都県で死者533人、被災者約290万人に達した。被害額は1億5670万バーツ(4000億円弱)と推定されている。

 首都バンコクでは50地区中28地区が浸水し、避難勧告は12地区の全域と6地区の一部に出された。大潮のたびに浸水地域が広がっている。北から流入する水をせき止めるために政府は、首都北側に1個2.5tの巨大な土のうで12kmの防水堤を築いた。これで都心部の浸水は避けられる見通しになったが、防水堤で流れが変わりほかの地域の浸水がひどくなった。住民が防水堤を破壊するなど混乱は収まっていない。

 日系企業が入居しているバンコク北部の7つの主要な工業団地も、10月に入って水かさが増して最大で4mほど浸水し、生産活動を停止する工場が続出した。被害を受けた日系企業は約460社にのぼり、部品供給が滞るなど日本国内の生産活動にまで影響が及んでいる。洪水が収まっても工場の全面再開は来春になりそうだ。企業にとっては、東日本大震災とのダブルパンチになった。

 タイは土地や人件費が安いうえにカントリーリスクが低かったことから、日本企業はタイ平野部になだれをうって工場を建設してきた。日本からの進出企業は約1600社にのぼり、タイへの直接投資額は2011年1~6月だけで前年同期比2.3倍の875億バーツ(1バーツ=2.5円)に達していた。

 しかし、5年前に軍部のクーデターでタクシン政権が倒れてからは政争がつづき、野党側は「政府の不手際が洪水を悪化させた」として攻撃を強めている。洪水が収まればふたたび政治的混乱が激化しそうだ。

コメント0

「「地球危機」発 人類の未来」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

コメント入力

コメント(0件)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

定年後の社会との断絶はシニアの心身の健康を急速に衰えさせる要因となっている。

檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師