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「うつ」の人の社会復帰を支援します

リヴァ/U2plus――リアルとウェブ、異なる支援サービスで相互連携

  • 高嶋 健夫

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2012年1月12日(木)

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 うつ病を患う人が増え続けている。通院治療中の患者数だけでも100万人を突破、自殺者が年間3万人を超える大きな要因の1つとされる一方、若年層を中心に従来とは異なるタイプの「新型うつ」が急増しているとも指摘されている。うつ病患者の増加は経済の失速、政治の混迷、財政や社会保障制度の先行き不安など、現代日本の閉塞感やストレス過多を反映した社会的病巣の1つであり、その対策作りは喫緊の社会的課題となっている。

 そんな中、企業社会の片隅で人知れず苦しむうつ病患者に支援の手を差し延べようというソーシャルベンチャーが続々と誕生している。昨年(2011年)相次いで創業したリヴァ(東京・豊島区)とU2plus(ユーツープラス、東京・港区)はその代表格と言えるだろう。リヴァは「うつ病の人たちの復職支援」に特化した通所型の福祉サービス、U2plusは認知行動療法プログラムをウェブ上で利用できる会員制サービスをそれぞれ提供している。いずれも独自に開発した全く新しい支援サービスだ。

 両社に共通するのは“当事者目線”の起業スタイル。うつ病患者の増加を「自分自身が解決しなければならない課題」ととらえる強い使命感を背景に、自らが身につけてきた職業的専門スキルを生かす独自のビジネスモデルを開発した。

 リヴァの伊藤崇社長(33歳)は、障害者の就労支援ビジネスに取り組む中で「多くの企業でうつ病になる社員が急増している」というビジネス社会の実情を知り、同社の起業を決意。U2plusの東藤泰宏社長(30歳)はIT(情報技術)企業勤務時代に自らがうつ病を発症した経験を土台に新しいウェブサービスを考案した。

 リアルとウェブ。2人の若き社会起業家は相互に補完し合う連携関係を構築し、同じ志を抱く盟友としてうつ病に立ち向かおうとしている。

増える「新型うつ」、支援機関の未整備が課題

 障害者の雇用・就労支援分野で近年特に対策が急がれているのが、精神障害者への取り組みである。身体障害者、知的障害者に比べて対策が立ち遅れていることに加え、表に出ない潜在患者も含めて支援を必要としている人が増加の一途をたどっていることがその背景にある。

 精神障害を一言で定義するのは大変難しいが、一般的には「様々な精神疾患によって日常生活や社会活動に困難を生じている人」と定義されよう。代表的なものとしては、うつ病などの「気分障害」、統合失調症、パニック障害、適応障害などがある。

 このうち、気分障害には抑うつ状態が長期間にわたって続く「単一性障害(うつ病)」、躁とうつが周期的に繰り返す「双極性障害(躁うつ病)」、さらには20~30代の若者を中心に増えている「非定型うつ」、いわゆる「新型うつ」などがある。新型うつは「現代型うつ」とか「未熟型うつ」などとも呼ばれる。

 従来のうつ病は何らかの原因で気分が落ち込んだり、自信を失ったりした結果、疲労感や倦怠感が現れ、症状がひどくなると体調を大きく損ない、会社に出勤できなくなったり、家から出られなくなったりする。多くの場合、うつ病になった要因を自分自身に向け、自分を責めたりする傾向が強いとされる。これに対して、非定型うつでは会社に行けなくても趣味や自分の好きなことは普通にできるという人も多く、その原因を自分よりはむしろ社会や他人に求め、他罰的な言動・行動を取る場合もあるとされる。

 「就労」という面で見ると、いずれの場合も仕事が停滞したり、突然の欠勤が続いたり、長期休職を余儀なくされたりするなど、本人にとっても、雇用している企業にとっても大きな負担が生じることになる。うつ病による企業の損失額は年間数千億円とも、1兆円以上とも言われ、自殺による損失を含めると社会全体の経済的損失は年間2兆7000億円に上るという試算さえある。

 他方、治療法としては、主治医や産業医とよく相談しながら投薬(不要な場合もある)や休養を続けつつ、対人関係や組織の中での自分の役割などについて客観的に見つめ直して社会復帰を目指す「認知行動療法」に取り組むことが必要とするのが、最近の一般的な考え方になっている。適切な治療と継続的な回復訓練を行えば社会復帰できるケースが多いとされている。にもかかわらず、現実には再起できない人、一度は復職したのに再発してしまう人が少なくないのが実情なのだ。

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