「不動産投資の罠」

一目瞭然、不動産投資のカラクリ

第2回 キャッシュフローで読み解く

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2012年1月18日(水)

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誰も教えてくれないリスク・リターン

 「不動産投資」に関連性の強い言葉をネット上で調べると、「怖い」「怖くない」が上位に出て来る。不動産投資は株のように多くの経験者がいるわけでもない。多額のローンを組んで行う投資でもあるので、自己破産リスクもある。それなのに、リスクとリターンについて正確な理解が進んでいない表れに他ならない。

 不動産投資で失敗した人は多いが、本屋には「成功体験談」しか並ばない。「儲かる話」でないと本が売れないという事情や失敗した人はそもそも本を書かないという面もあるのだろうが、リスクを教えてくれない本を読んでも、リスク・リターンの対処法が分かるわけがない。

 不動産業者のほとんどはその物件がどのくらい損得を出すかを知らないもしくは教えない。彼らは契約が成立すれば仲介手数料が入るので、買主が儲かろうが損しようが知ったことではない。成約に到ればいいと考えると、情報を恩着せがましく大量に流したり、実態情報を隠してもっともらしい投資話を作って洗脳したりして、思考停止に追い込む手段を競い合っているように見えてくる。現在の取引慣行では買主は投資判断の情報を充分に与えられずに、自己防衛を強いられるという危険極まりないものとなっている。つまり、取引実態を見ていくと「不動産投資は分からないことが多くて、怖い」ということになる。

いい物件を選ぶ基準

 不動産取引は当初からどの程度儲かるかが判明しているもので、期待できそうな収益を物件毎に比較することができる。つまり、事業収支が組めて、一定の投資利回りを算出するという予測が可能である。そこを拠り所に投資判断をすることが必要になる。

 次の2つができればいい物件を選ぶ可能性は格段に高まる。

・事業収支を把握すること
・わからないことは自分で学習すること

 しかしながら、その手間たるやかなりの負担になるので、下の2つをクリアするのが近道になる。

・事業収支シミュレーションツールを玄人に試算してもらうこと
・信頼できるアドバイザーを味方につけること

 そこで、典型的な例を取って、事業収支を説明してみよう。

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著者プロフィール

沖 有人(おき・ゆうじん)

1988年、慶應義塾大学経済学部卒業。会計事務所系コンサルティング会社、不動産マーケティング会社を経て、98年、アトラクターズ・ラボ(株)設立、代表取締役に就任。住宅分野において、マーケティング・統計・ITの3分野を統合、賃貸住宅分野では自他共に認める第一人者である。提供サービスとして、住宅市場マクロ調査・エリア市況調査・案件調査レポート・各種ASP(賃料査定・物件事例出し)などをデベロッパー、ハウスメーカー、AM会社、PM会社、レンダーなど100社以上に提供実績がある(詳細はこちら)。「投資・証券化のための不動産の調査・分析・評価の実務」(共著)、アカデミーヒルズ講師など執筆や講演でも活躍中。



このコラムについて

不動産投資の罠

不動産投資はからくりに満ちている。儲かるように見せかけることができるので、騙される人が後を絶たない。不動産投資はいつ終わるか分からない「ババ抜き」をやっているようなものだ。高く売り抜けたら、このゲームを終えることができる。最後にババを手元に残した人が大損して、最悪は自己破産することになる。不動産業界に精通した著者が、個人による安易な不動産投資に警鐘を鳴らす。

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