(前回から読む)
誰も教えてくれないリスク・リターン
「不動産投資」に関連性の強い言葉をネット上で調べると、「怖い」「怖くない」が上位に出て来る。不動産投資は株のように多くの経験者がいるわけでもない。多額のローンを組んで行う投資でもあるので、自己破産リスクもある。それなのに、リスクとリターンについて正確な理解が進んでいない表れに他ならない。
不動産投資で失敗した人は多いが、本屋には「成功体験談」しか並ばない。「儲かる話」でないと本が売れないという事情や失敗した人はそもそも本を書かないという面もあるのだろうが、リスクを教えてくれない本を読んでも、リスク・リターンの対処法が分かるわけがない。
不動産業者のほとんどはその物件がどのくらい損得を出すかを知らないもしくは教えない。彼らは契約が成立すれば仲介手数料が入るので、買主が儲かろうが損しようが知ったことではない。成約に到ればいいと考えると、情報を恩着せがましく大量に流したり、実態情報を隠してもっともらしい投資話を作って洗脳したりして、思考停止に追い込む手段を競い合っているように見えてくる。現在の取引慣行では買主は投資判断の情報を充分に与えられずに、自己防衛を強いられるという危険極まりないものとなっている。つまり、取引実態を見ていくと「不動産投資は分からないことが多くて、怖い」ということになる。
いい物件を選ぶ基準
不動産取引は当初からどの程度儲かるかが判明しているもので、期待できそうな収益を物件毎に比較することができる。つまり、事業収支が組めて、一定の投資利回りを算出するという予測が可能である。そこを拠り所に投資判断をすることが必要になる。
次の2つができればいい物件を選ぶ可能性は格段に高まる。
・事業収支を把握すること
・わからないことは自分で学習すること
しかしながら、その手間たるやかなりの負担になるので、下の2つをクリアするのが近道になる。
・事業収支シミュレーションツールを玄人に試算してもらうこと
・信頼できるアドバイザーを味方につけること
そこで、典型的な例を取って、事業収支を説明してみよう。
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