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ソーシャルメディアから明日の株価を読む

顧客の不満を先取りして解決

  • 大河原 克行

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2012年1月11日(水)

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 米国で興味深い調査結果が発表された。

 米インディアナ大学のヨハン・ボーレン准教授と、大学院生のフイナ・マオ氏が、株式市場をテーマにしたTwitterのつぶやきを大量に集めて分析した。言葉が表すつぶやき手の感情を「平穏」「注意」などの6種類に分類。それらをその後のダウ・ジョーンズ工業株平均株価と比較をしたところ、3~4日先の株式市場の動向を86.7%の精度で予測できたという。

Twitter上のつぶやきから未来を読む

 こうした取り組みは海外だけの動きではない。日本でも既に同様の動きがある。

 インターネット取引専業の証券会社であるカブドットコム証券は、ソーシャルメディア上にある膨大な量のデータを、株式売買の参考となる情報に加工して顧客サービスに生かしていく考えだ。

 カブドットコム証券は2011年7月~11月、ソーシャルメディア上の情報から、対象とする銘柄と関連性の高い言葉を抽出する実験を行った。1日当たり約900万行に及ぶソーシャルメディア上の情報を収集。その中で使われている約4万3000の言葉が、対象とした46銘柄とどう結びつくのか、相関関係を検証した。

 カブドットコム証券の社長付IT戦略担当の谷口有近氏はこう語る。「当該企業の決算発表資料には出ていない言葉と、銘柄の動向との間に関連がみつかることもある。企業がどの方向に動こうとしているのかも分かる。また、その銘柄が市場から好意的に捉えられているのか、否定的に評価されているのか、も分析ができる」。

 続けて、「大量のデータを基に、将来の株価の動きを予測することができるかもしれない。これらの情報と、個人投資家の過去の投資履歴と組み合わせて、最適な金融商品の提案につなげていきたい」と、将来に向けての用途を示す。

 カブドットコム証券の取り組みは、まだ実証実験の域を出ていない。だが2012年には、分析対象とする銘柄数とソーシャルメディア上の情報量を拡大し、これらを基に新たな情報提供サービスの仕組みを試演できる段階にまで持っていきたいとする。

 ビッグデータを分析することで、現在を把握し、未来を予測する。それを基に新たな商品を提案する――そんな世界が、すぐそこまでやってきていることを示す事例だと言えよう。

 こうした技術は、株価の予想だけでなく、様々な分野に応用できる。

 例えば、新商品を発売した際に、Twitter上の反応を基に、今後数週間の売れ行きを予測できるようになる。必要に応じて広告投資を増やすなど、マーケティング施策にこの技術を生かすことも可能になる。

企業が、顧客との新たな窓口としてSNSを利用

 ソーシャルメディアはビッグデータ時代を加速している。

 ソーシャルメディアの利用者数は全世界で17億人に達した。米コムスコア社の調べによると、Facebookユーザーは、毎月平均4時間もFacebookを利用しているという。また、米IBMの調べによると、全世界のFacebookユーザーが1日に書き込むデータ量は10テラバイトの規模に達しているという。これは新聞の朝刊2万6000年分に相当するデータ量だ。

 さらにソーシャルメディアは、もはや個人と個人をつなぐだけのコミュニケーション・ツールではなくなっている。企業がソーシャルメディアを利用したサービスを続々と開始し、マーケティング・ツールやサービス向上のためのツールと位置づけ始めている。

 欧州の航空会社であるKLMは、Twitter上に顧客サポート窓口を開設し、キャンペーンやマイレージに関する情報を提供している。さらに、18万人の登録者をフォローし、彼らからの様々な問い合わせに対して1時間以内に回答するサービス体制を構築している。手軽に書き込むことができるソーシャルメディアならではの利便性を生かし、顧客との緊密な関係を構築、サービス水準を高めている好例だ。

 また、パソコン・メーカー、米デルの日本法人は、Twitterを利用したプロアクティブにサポートを試験的に開始した。Twitter上のつぶやきを検索し、デル製品の不具合や「使い方に困った」という内容のつぶやきをさがす。みつけた場合は、デル側から「どんな不具合が起こっているのですか」と、Twitterユーザーに直接、問いかける。

 これまでのユーザーサポートはユーザーからの問い合わせを「待つ」体制であった。ソーシャルメディアを利用することで、困っているユーザーに企業が直接アプローチする、これまでにない仕組みを構築しようというわけだ。

 このように、ソーシャルメディアを利用することで顧客満足度を高める施策に取り組む企業が増加している。

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