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いえいえ、やはり北朝鮮は最貧国です

「一人当たりGDPは576ドル」数字は語る(その2)

2012年1月11日(水)

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 前回は、毎年定期的に北朝鮮の国民総生産(GDP)を公表している韓国銀行と国連統計局の推計値を紹介し、これらだけではいまひとつ統計に疑問符が付くことを明らかにしました。

 今回はこの韓国銀行や国連統計局と違った方法による最近の推計値として2つを紹介します。

 まずはソウル大学経済学部のキムビョンヨン教授が、2008年に公表した論文で示した推計値です(注1)。これによれば2007年の一人当たり国民総所得(GNI)は471ドルとされています。キムビョンヨン教授は、北朝鮮の一人当たりGNIを以下の3段階で推計しています。北朝鮮ではGDPとGNIが概ね同額であり、前回同様、北朝鮮に関してはGDPとGNIは同じと見なします。

 第1段階は先行研究で示された推計方法で、1954年から2007年における北朝鮮の経済成長率を推計しています。具体的には農業、製造業、サービス業の成長率を推計し、各部門の比重により加重平均して経済成長率を導き出しています。

 第2段階は、先行研究(注2)によって示された、1954年における北朝鮮の購買力平価基準による一人当たりGNIに、第1段階で推計した経済成長率を順次乗じていくことで、1954年から2007年までの購買力平価基準による一人当たりGNIを算出しています。

 第3段階は購買力平価基準から、実際の為替相場に基づくドル表示の数字に変換する作業です。まず、世界銀行における低所得国と低中所得国のデータを利用し、購買力平価基準の一人当たりGNIと実際の為替相場基準の一人当たりGNIの関係式を推計しています。その上で、北朝鮮の購買力平価基準の一人当たりGNIを、推計した関係式に入れ、実際の為替相場基準の数値に換算しています。

 ただしこの研究に対しては、各部門の成長率を推計する際に韓国銀行が公表した鉱工業成長率や食料作物生産量成長率を利用しているため、成長率の推計値が韓国銀行と大きな差がないといった批判があります(注3)

(注1)キムビョンヨン(2008)34ページ。
(注2)この先行研究は、Maddison, Angus(1995)“Monitoring the World Economy, 1820-1992”,OECDである。
(注3)現代経済研究院(2011)2ページ。

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「いえいえ、やはり北朝鮮は最貧国です」の著者

高安 雄一

高安 雄一(たかやす・ゆういち)

大東文化大学経済学部教授

1990年一橋大学商学部卒、同年経済企画庁入庁、調査局、外務省、国民生活局、筑波大学システム情報工学研究科准教授などを経て現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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