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猫も金魚も化物も歌川国芳の江戸っ子仲間

その3「癒されます。笑えます」

  • 岩切 友里子

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2012年1月20日(金)

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 天保13年6月、天保の改革の一環として役者絵・遊女芸者風俗の絵を出版することを禁じるお触れが出され、錦絵の出版界は大きな打撃を受けた。しかし、それはかえって国芳に縦横無尽に戯画の筆を揮わせることとなった。

 「戯画」は、ときにカリカチュア、風刺画として説明されることがあるが、国芳の戯画に毒はない。底抜けに明るく、ファンタスティックな夢に溢れている。

みんな一緒に生きている

「きん魚づくし ぼんぼん」

 このシリーズは、これまで8図が確認されていたが、「ぼんぼん」は、新たに発見された9図目の作である。中判(大判の半分のサイズ)のシリーズの場合は、通常、2図が1枚の大判の版木で作られることから、本図の登場は、10図目も制作されていた可能性を示す意味でも重要である。

 「ぼんぼん」とは、お盆の頃、手をつないで横に列を作り、歌を歌いながら歩く子どもたちの遊び。江戸では女の子だけがこの遊びをしたと伝えられる。
 上部から下がる金魚藻は、柳の見立。金魚たちは掬い網の団扇を手にしている。大きく口を開いているのは、ぼんぼん歌を唄っているから。

 浮草の団扇を手にした小さなオタマジャクシが、姉さん金魚にしっかりと手をつながれているのも、弱いものに対する国芳の温かい眼差しがあってこその表現であろう。

 国芳は向島に住していた頃、毎朝田圃に行ってカエルをつかまえ、自分の家の庭に放してその鳴声を楽しんだとも伝えられる(飯島虚心著『浮世絵師歌川列伝』)。オタマジャクシに手が出て足が出ていく成長を、国芳はわが子のように目を細めて見守っていたのではなかろうか。まだ、尾のとれないオタマジャクシに、国芳が送るエールが聞こえてくる。

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