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サムスン、新製品開発でケニアの学生を囲い込む

日本企業は“知日派”との協業にチャンス

2012年1月18日(水)

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 「アフリカで販売する新製品のアイデアを現地の学生に考えてもらおう」

 韓国のサムスン電子はアフリカ市場を攻略するため、新たな戦略に打って出ている。現地の大学と提携して研究所を立ち上げ、学生から新製品のアイデアを募る。学生にとっては世界最大の電機メーカーから最先端の製品開発手法や技術が学べる機会であり、将来の就職を有利に進めるチャンスでもある。研究結果によっては地元アフリカのインフラの発展に役立てることもでき、企業、学生、地域社会の3者にとって魅力ある動きだ。

アフリカ向けに停電に強い冷蔵庫を開発

 サムスン電子が提携したのは、ケニアの首都ナイロビにあるストラスモア大学。IT(情報技術)と経営学に特化した私立大学で欧米流の教育が特徴だ。大学ランキングでは国立のナイロビ大学に続く2位だが、近年はトップに立ったこともある。

 ストラスモア大学の新校舎はガラス張りの明るく近代的な建物で、インターネット環境も整備している。学生はノートパソコンと携帯を持ち、さっそうとキャンパスを歩く。次世代のアフリカの若者がここには集う。

 そのキャンパスの一角にITに関する研究所「@iLabAfrica」(アットアイラボアフリカ)がある。2008年に開設したこの研究所が斬新なのは、企業と提携して研究テーマを立ち上げ、新製品の開発や学生の起業を支援している点だ。

 サムスン電子はアットアイラボアフリカと昨年、新たに研究プロジェクトを始めた。コンセプトは「Built for Africa」。アフリカにおける、アフリカの人々によるアフリカのための製品開発を目指すもので、3年間に渡って、家電製品や携帯電話、特にスマートフォンに関する新製品アイデアを研究する。

 「今日は消費者の立場から、新製品に欲しい機能を議論しよう」

 アットアイラボアフリカの会議室に集まった13人の研究員は、ノートパソコンや資料を前に机を囲んで議論を始めた。「自分達が求められていることは何か」をまず話し合い、その結論に沿って提案の大枠を決めていく。世界最大の家電メーカーに対して魅力的なアイデアを出すため、研究員の表情はとても真剣だ。

 こうした研究を通して既にいくつかのアイデアが生まれている。

 アットアイラボアフリカの運営ディレクター、エマニュエル・クエユ氏は「サムスン電子とは昨年、停電に強い冷蔵庫の製品コンセプト研究した。具体的には保冷剤を活用して停電になっても冷やし続ける仕組みなどだ。こうした提案は韓国にあるサムスン本社で検討して、次世代の製品に機能を組み入れる」と研究例を明かす。

 ケニアでは電力不足や送電システムの不備から日常的に停電が起きる。こうした状況に対応しなければ消費者に受け入れられない。

 ケニアでも家電製品や携帯電話でサムスン電子とLG電子の躍進が目立つ。大型スーパーの家電製品売場には2社の製品が多く並び、携帯の専門店も多くのスーパーで併設している。現地のニーズをつかむ努力は今後も欠かせない。

 サムスン電子はストラスモア大学との提携で約3000万円を投じた。

 アットアイラボアフリカとの提携企業にはサムスン電子だけではなくHP、グーグル、マイクロソフトなどの米国企業や地元ケニア最大の携帯通信会社、サファリコムなどがある。

 しかし、日本企業との提携研究はまだない。クエユ氏は「ITとビジネスについてトップレベルの教育を受けた学生がストラスモア大学には集う。企業にとってここでの研究はアフリカ市場を理解するのに最適だ」と新たな企業との提携に期待する。

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「サムスン、新製品開発でケニアの学生を囲い込む」の著者

宇賀神 宰司

宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)

日経ビジネス記者

日経クリック、日経ベンチャー(現・トップリーダー編集などを経て、2007年1月から日経ビジネス編集記者。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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