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もはや「小人の国のガリバー」ではいられない

地球温暖化問題をめぐる中国の行動様式

2012年1月23日(月)

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 2011年12月11日、大詰めまで難航していた国連・気候変動枠組み条約第17回締約国会議(COP17)は、すべての締約国が参加する法的な効力がある新しい枠組みを2015年までに検討し、2020年からスタートさせるという合意に達し、閉幕した。国際協調の姿勢を示しつつ、経済成長の持続という国益を追求する中国の行動に世界の関心が高まっている。

法的義務を負わない言い訳はたくさんある

 「今次会合では、わが国の主張が反映される形で、すべての国が参加する新たな法的枠組みの構築に向け、そこに至る道筋が明確に示される等、大きな成果を得ることができた」

 内閣総理大臣コメントはこのようにCOP17を評した。こうした日本政府の立場もあって、日本のメディアは新体制が構築されることに合意したと一斉に報道した。

 ただし、日本の報道にはクセがある。「京都議定書で削減義務を負っていない2大排出国の中国、米国を含むすべての国」と、日本の報道機関はこぞって中国と米国を名指しして報道した。

 たしかにCOPの公式文書には「すべての国(all Parties)」と書いてはある。だが、わざわざ名指しするところに、「温暖化対策で汗をかいていない、ズルをしている国がある」と言いたげな日本のメディアの論調が染み出ている。

 しかし、冷静に考えてみよう。今のような国際情勢の下、日本のメディアが言うような削減義務を2020年からの枠組みで中国は負うのであろうか。

 当の中国政府の公表や報道はCOP17の成果を積極的に評価して国内に伝えている。しかし、中国政府やメディアが評価しているのは、京都議定書の第2約束期間の承諾と、先進国の資金と技術を途上国に提供するグリーン気候ファンドの立ち上げをダーバンの会議が決定したことである。これまでの締約国会議で大筋で合意していながら未解決のままであった発展途上国への資金と技術の移転に関して、先進国がようやく一定の譲歩をしたことが、中国と77カ国グループ(途上国の交渉グループ)にとって重要な問題と報道された。

 他方、中国自身の責任や役割と言えば、中国自身の国民と世界の人々に対して責任を負う態度を堅持し、気候変動に対する国内行動を強力に実施するとともに、国連の枠組みでの国際交渉の進展に向け積極的に貢献していくと言うにとどまる。先進国同様の責任を現時点でコミットすると評価するのはかなり微妙だ。

 2020年以降の法的拘束力をもつ枠組みへの参画については、中国も受け入れることができると、中国代表団の団長を務めた解振華国家発展改革委員会副主任は2011年12月5日に語っているが、枠組みへの参加には「条件がある」と釘をさした。

 解団長が示した5つの条件とは、第1に京都議定書の第2約束期間の承諾、第2にグリーン気候ファンドの立ち上げ(先進国による300億ドルの早急な拠出と2020年までの間に毎年1000億ドルの拠出)、第3に技術移転、キャパシティビルディングなどのメカニズム構築、第4に科学的評価に関する各国の承諾、第5に「共通だが差異ある責任」原則の堅持――である。こうした5つの条件が整った暁に中国は、自国の発展段階やレベルにふさわしい責任と義務を果たすと言うにとどまる。

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「もはや「小人の国のガリバー」ではいられない」の著者

青山 周

青山 周(あおやま・めぐり)

経団連中国事務所長

経団連事務局で地球環境・エネルギーグループ長、アジアグループ長などを歴任。2012年4月に中国事務所新設により初代所長に就任。中国上海の復旦大学に留学経験があり、中国と環境分野に強い。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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